ふうせんかずらのそだてかた

https://www.instagram.com/p/BD7J-GhmMUK/

 

https://www.instagram.com/p/BD7z8-0mMdF/

 

https://www.instagram.com/p/BD75c6TmMVc/

ちょうど1年前に訪れた「瀬戸内国際芸術祭」の島々のことを思い出す。というか、Googleに写真を預けているのだが、唐突に、お前は去年の今頃に小豆島や直島を訪れたのだぞ、と教えてくれたのだ。

あまり過去の写真を眺める習慣が無いのだが、この旅に関しては別。見返すと、様々なことを思い出してしまう。本当に良い旅だったし、印象に残るイベントだったし、あの島と土地は大好きになった。

 

【メール便配送】 国華園 花たね 風船かずら 1袋(10粒)【※発送が国華園からの場合のみ正規品です】

さて、その巡った島のあちこちで、草花の種や多肉植物の葉などを貰ってきたのだった。多肉植物の多くは、移住組だろうか、カフェなどを営む若い人のお店で譲ってもらった。お茶を飲んでいた店で、葉が取れちゃったから良かったら持っていってくれ、と声をかけられたのが発端だった。
種のほうは、生け垣にあるものや、民家のイベント会場で地元の人と雑談をしていて、その時に少しずついただいてきた。

上手い具合にサンプリング用の瓶をいくつか鞄に入れてあったから(薬やビタミン剤の小分け用が余っていたのです)、春と秋、それぞれの旅でかなりの種類が手に入った。
自分から動いたわけではなくて、基本的には相手からの働きかけで得たものなのだが、なんというか、気前の良さが日常の(つまり静岡県中部の田舎町の)平均よりもずいぶん高かった気がする。そういう“とりくみ”を行っていた訳でもないだろうし、“とりくみ”ではないからこそ有り難みも増すというもの。あの非日常は得がたい経験だった。

 

幸い、多肉植物はどれも根付いている。冬を越して、今週から外に出している。

そして今日は、「ふうせんかずら」の種を植える準備をしている。
種は20粒ほど。半分を試してみるつもり。
たぶん茂ればそんなに難しくはない、と予想する。ただ経験が無いから、まずは慎重に。

ふうせんかずら、と言えば学生時代に住んでいた町にいた老人を思い出してしまう。
小学生が夏休みに持ち帰ってきたアサガオ(支柱付きプラ鉢の教材で育てるもの)を引っこ抜き、ふうせんかずらの苗に植え替える、という「頭のおかしいおじいさん」がいたのだった。
新興住宅地のあちこちでそんなことをして、なかにはある程度育ってしまった鉢もあったようだ。新聞にこそ載らなかったものの、学生である僕にまで伝わるくらいのニュースになったのだから、当事者である小学生達には大きなインパクトがあったと思う。
なんとなく怪異の趣きがある。
特に何年か後に言い伝えとして残れば素敵だ。「会った人は必ず死ぬ」とか、尾鰭が付くとさらに良い。
「ふうせんかずらじいさん」、今も存命だろうか。

 

タンブラー キリコ 風船かずら 300ml HG107-26WG

タンブラー キリコ 風船かずら 300ml HG107-26WG

 

 

 

映画を2本、ケーキを1つ、炒飯も。

静岡の街で映画を鑑賞。



まず「こころに剣士を」を観た。素晴らしい映画だった。ちょうど梨木香歩さんの「エストニア紀行」を読んだ後だったから、より楽しめた。

 

 

 

 


そして10分ほどの休憩の後に、「アイ・イン・ザ・スカイ」を。これもまた良い映画。ドローンを用いた非対称戦争のお話。ずしんと心に来る作品。

さすがに2本の映画を連続で観ると、疲れる。
子供の頃はまだ「2本立て」とか、それこそ子供向け作品ならば「豪華3本立て」が、街の映画館であったと記憶している。上映時間が短かった気もするけれど、でも3本観ても平気だったのだから、加齢というのは総じて不便だ。

しかし観て良かった。靴を同じ日に2足買うと、ひとつはお気に入り、もうひとつは補欠、みたいになる。服も同じ。でも映画は、どちらもきちんと楽しめる。
ただし繰り返しになるが、疲れる。
映画館を出て、ふうっと深呼吸する。しばらく街の雰囲気が違ったように思える。その度合いが、やけに強い。眼鏡を買い換えた直後に世界が鮮明過ぎて疲れてしまう、そんな感じに近いかもしれない。

静岡市では唯一といっていいミニシアターの「シネギャラリー」は、向かいに大きなお寺がある(というか、このお寺が経営元)。
映画が始まる前、あるいは合間には、よくこのお寺を散策する。可愛らしい現代的なお地蔵さんなど、あまり好みではない(そして有り難みに欠ける)石像も目立つし、シックとは言い難い庭ではあるけれど、でも時間つぶしには良い場所だ。お墓は古いものや歴史上の人物のお墓、無縁仏や戦争で亡くなった軍人さんのものまで揃っている。いつも漂うお線香の香り、周囲にはビルやデパート。静岡市なのに、少し都会っぽさが味わえる。

 

 

[静岡]本のある場所 (momo book)

[静岡]本のある場所 (momo book)

 

 

おやつには、MARIATHANKにてイチゴのミルクレープという品を食べた。イチゴが美味しい季節。ミルクレープを食べるのは久しぶりで、つい写真を忘れてしまった。

 

夕食までは自転車で街を探検。ただし今日はとても寒い。停まらない限り身体は平気、でも顔が寒いという状況。いわゆる“静岡の街”を端から端まで、それから南から北へ走り抜けた。

 

夕食は、大盛りで有名な炒飯専門店で、ハーフサイズの海鮮炒飯を食す。半分の大きさでも、お腹いっぱい。セットに付いてきた唐揚げと餃子は、余分だったかもしれない。しかし炒飯だけ食べるのも寂しいからと、うっかり注文してしまった。

映画2本で、頭が疲れた。目だって、たぶん酷使した。
ケーキで血糖値が上がった。美味しいケーキは心が温まる。
寒いなか、自転車を走らせて、身体がほどよく疲れた。
炒飯で満腹。
お風呂も入った。
つまり、今とても眠い。もう、寝ることしか考えられない。寝るために今日は遊びまくった、そんな気さえしてくる。頑張れることは、明日に回す。それでもう、いいじゃないか。

こういう眠い日は、お風呂の後に髪が乾くのを待つのが大変。ふと思いついてドライヤーという電熱送風機器を使ってみたが、とても便利だ。なるほど良い機械だ、と感心する。文明の利器、といっても良いのではないだろうか。
濡れた髪を乾かすのにおすすめです。マイナスイオンやナノイーは不要です。

 

Antique cafe roadとその周辺

掛川市にあるアンティークカフェ「road」に行ってきた。
ここは前に1回だけ行ったことがある。
Webサイトには“秘境”と書かれているが、別にそれほどややこしい場所ではない。最後の数百メートルは細い道で、ガードレールが無くて隣が沢、見通しだって悪いけれど、それでも車で店の前まで行ける(ハイエース・クラスまで進入可能との看板有り)。
そもそも店の建物が工場か厩舎を改装したような建物だから、かなりの田舎とはいえ人里離れたような場所とはいえない。

この日坂の辺りは古い宿場の趣きもあるし、店のある山を登っていくといきなり視界が開けて茶畑が拡がっていて、たまに訪れると楽しい場所。
今日はバイパスから下りたあたりで自転車に乗り換え、軽いサイクリングがてら店まで走った。坂は多いが、小径車でもなんとか走れる。駐車場の隅には自転車用のラックもあって、たぶん自転車趣味の人も多く訪れるのだと思う。

アンティークといっても、特に高級な感じの品は無い。
ジャンク品や、感じの良いガラクタ、古道具がたくさん。古いバイクや、可愛らしい昔の軽自動車が店の内外に点在している。
こういうジャンクを溜め込む店というと、妙な主張や貼り紙が多い印象。ガラクタ集積系の“ちょっとおかしい人”か、“素朴さを追求し過ぎた古道具趣味”あるいは“所ジョージになりたい田舎者”。その全ての要素は少しずつ感じられるが、でもこの「road」は至極真っ当なカフェだ。趣味全開かつ居心地が良い、というのはそれだけで素晴らしい。

メニューはカレーやパニーニといった軽食と、コーヒー各種、紅茶とソフトドリンク、ケーキが少し。広い店内の好みの席でのんびりと味わうことができる。
店の気温は、たぶん低かった。なにしろ倉庫みたいな建物で、周囲は山と沢なのだから。
でも、あちこちにストーブが点在し、さらにストーブから遠い席には練炭入りの七輪を持ってきてくれて、ブランケットも用意されているから、寒さは気にならない。開放的で気持ち良い。
人ぞれぞれだが、居心地の良い空間だと僕は思う。

今日は豆と鶏挽肉のカレーを食べた。
トマトの酸味がしっかり感じられる、あまり辛くない、雑穀入りのご飯に良く合う、いかにもカフェっぽいカレー。美味しい。
食後にはコーヒーとチーズケーキを。
コーヒーはなんとなく、大昔に流行った“炭焼きコーヒー”をどこかに感じる、でもすっきり飲みやすい味だった。チーズケーキはナッツがたっぷりで、ベリーのソースがとても合う。

どこにも目新しさは無く、この種のモノが好きな人ならば、想定の範囲内だとは思う。でもがっかりする部分はまるで無いし、規模としてはこの周辺において群を抜いている。
他に替える難いカフェとして、ふと思い出したら行ってしまう、そんな店。
実は静岡と浜松を結ぶ所謂「国道1号線のバイパス」を下りたら10分足らずというアクセスの良さも魅力。特に秋冬はおすすめです。

 

antique cafe road

 


 

 

映画とか自転車とか南極建築とか。

https://www.instagram.com/p/BOWsmJshTzi/

風は強く、しかし暖かく晴れた祝日。

自転車に乗って、静岡市南部から市街地まで散策する。

STRIDA(ストライダ) 16インチ折りたたみ自転車 シングルスピード アルミフレーム 前後ディスクブレーキ STRIDA LT BLACK (2015)

 

 


映画館で「ローグ・ワン/スターウォーズストーリー」を鑑賞。良い作品だった。スピンオフとはこうでなくては。

感想は後日書く、と思う。

 

アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

 

 

 

映画の時間が昼近くだったため、昼食を食べ損ねる。
行く先々のケーキ・カフェで「本日は持ち帰りのみで御座います」との貼り紙に遭遇。なるほどクリスマスパーティー日和だ。

https://www.instagram.com/p/BOWTL_PBLiF/

そんなわけで入った鷹匠のバール(を名乗る、実際は酒抜きのコーヒー店)は、コーヒーこそ美味しかったものの、それ以外は特筆すべき点の見つからない、良くも悪くも凡庸な店だった。元々あったカフェをそのまま使った新しい店だが、雑な部分や気になるところがそのまま引き継がれていて、もしかして看板だけ変えたのではないかと思ってしまう。
要は期待外れだったので、店名は秘密。

 

そんな休日。生産性は低く、懸案は山積みで、でも明日も明後日も休日だから安心安全。うっかり先ほどまでうたた寝していた程だ。
そして今から、また寝る。今日はもう、何かを為す気になれない。明日は「スタジオジブリ・レイアウト展」に行けたら良いのだが。

「スタジオジブリ・レイアウト展」|静岡市美術館

 

 

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

 この本、とても面白い。
モリナガヨウ氏のイラスト目当てで買ったが、それ以外も読み応えがあるし、知識が無くとも読み進めると理解が深まる親切設計。
映画館で暗くなる前に読んでいたら、隣の席の見知らぬカップルに「それ売店にありました?」って聞かれてしまった。いや、スターウォーズ関連書籍じゃないのです。極地の不思議な建築物(多くが探査基地)が、なんとなくスターウォーズ的に見えるのは、わかる気がするが。

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

 

 

10月10日(月)豊島(後編) #瀬戸内国際芸術祭

そろそろ書いておかないと忘れてしまう。
旅の思い出。

 

10月10日は旅の最終日。つまり、帰る時刻を気にする必要があった。翌日から普通に出勤するから、あまり無理はできない。

でも予想していたよりも、自由自在に島を巡ることができた。電動自転車がそれを可能にした。

例えば昼食の確保と、それに伴う時間的制約。
豊島といえば「島キッチン」だが、ここの混み具合はすごかった。豊島美術館のあとに、開店直後に訪れたのだが、列に並んで得たのは「1時間30分後の予約」。
こういう時こそ自転車の機動力が発揮される。

 

 

 

いちおう時刻の20分前にアラームをセットし、まずは島キッチンの周辺を巡る。それから、やや離れた「唐櫃浜」の集落に向かう。途中で再び豊島美術館へ立ち寄り、お茶を飲みつつ休憩。
唐櫃浜へ行く途中で寄り道をしつつ、島のスケール感を明確にする。地図だけでは掴めない時間と距離がわかれば、安心して展示を楽しめる。他の島ならばともかく、豊島は山道が続くため、電動自転車でなければできなかったと思う。

唐櫃浜では軽く食事をとる。
といっても、きちんとしたお店は無く、お年寄りがリヤカーに乗せて売りにきた「たこ飯」の最後の1個を、知らない旅行者達と半分ずつ買っただけ。でもとても美味しかったし、彼女達とのやりとりも楽しかった。たぶんミカン、でも皮が綺麗ではなくて酸味が強い柑橘類を1個貰う。

 

唐櫃港から少し離れたところにある「心臓音のアーカイブ」、ここは素晴らしい場所だった。ひみつ基地というか、自分だけの場所というか。真っ暗な展示室と、外の美しい浜辺。長い時間を過ごしたし、またいつか行きたいとも思った。この旅で「美しい景色」といえば、ここを思い出す。

setouchi-artfest.jp

「島キッチン」のごはんは、美味しい。ただし格別に美味で旅の醍醐味を感じる、という程のものではないと思う。あくまで家庭料理の延長というのだろうか。帰りに(お茶を飲みに)立ち寄った「海のレストラン」のほうが好みには合う。

www.chc-co.com

 

バス停はあるものの、1箇所だけ離れていて、しかも山の中、という立地だからか、他の展示に比べて静かだった「トムナフーリ」は、しかし素晴らしいアートだった。
どう見たって作り物、謳われている「スーパーカミオカンデニュートリノ検出と連動して発光する」だって意味があるとは思えないのだが、そういう理屈を超えて、あの沼地とオブジェが特別に見えてくる。こればっかりは行ってみないと、という奴である。
SFと梨木香歩が好きなら最高に“持っていかれる”ような気がする。

setouchi-artfest.jp

「豊島シーウォールハウス」もまた、印象に残った展示。
なるほど民家を改造した展示、なるほどこのスクリーンに映像が、なるほどこのドラムセットは実際に音が…と個別に見ていて、それらが連動してひとつの音楽ともいえない何かを作り上げていると気付いてからが長かった。なかなか立ち去るタイミングが掴めない。賑やかではないし、緊張もリラックスもしないのに、ただそこにいたいとだけ思える。希有な体験をした。

setouchi-artfest.jp

 

見たいところは概ね見たし、まずは船の切符を確保して、あとはのんびり港の周りを散策しよう、などと考え家浦の港に寄ってみたところ、既に切符売り場への行列ができていた。まだ販売時刻でもないのに。急いで自転車を返し、列に並ぶ。数十分並んだあとに、ようやく切符を買うことができた。後から来た人達のなかには、希望する船に乗れなかった人もいた様子。
僕も「犬島」経由の便を薦められた。犬島に寄って展示を見て、それから本州に渡る、というプラン。かなり心惹かれたけれど、時間が遅くなるため断念。

ともあれさようなら瀬戸内国際芸術祭。
最後に宇野港、そう、春に訪れた時は起点となった港に戻ってきた時は、ちょっとつつけば泣いてしまいそうだった。旅の終わりはいつも寂しいが、感慨という点では特別な旅だったと思う。

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BMvOFBwhCjs/

そして今日、いつもの「つきさむ」でおやつ(クリームタルト)とコーヒーを楽しんでいた時に、置いてあったフライヤーで「北アルプス国際芸術祭2017」の存在を知った。

shinano-omachi.jp

今はもう冷静だが、知った直後は「これは行くしかないだろう」と心がざわめいた。今までの人生で、特定のイベント、例えば野外フェスとか御開帳とか、何かひとつのテーマで旅行を続けたことが一度も無いのだけれど(しいて言えば水族館)、これからは「国際芸術祭」を軸にした旅をしそうな気がする。「瀬戸内国際芸術祭2016」が僕に残したもの、それは次の旅のテーマかもしれない。
ここ最近なんとなく続いている、「かっこいい美術館」にも行きたい気分も、同じく、春と秋の瀬戸内旅行が影響しているだろうし。

 

旅を続けるために、またしばらく勤労の日々に。
旅を続けるために、とりあえず死なないように頑張ろう。

 

 

 

昨日のデザートプレート

日曜日のおやつの話。
昨日の昼過ぎに静岡の街まで行った。帰りに城北公園まで自転車を走らせる。元々、市街地の外れに車を停めて、そこから折り畳み自転車で街まで行ったのだった。散策の輪を広げてみると、車では出会えない場所に辿り着く。

https://www.instagram.com/p/BMLMOnvBRTi/

 

そしてそのおやつは、「Atelier petit Calin」という名のケーキ・カフェにて食した。城北公園からは近いが、住宅地の中にある新しいお店で、何かしらの情報が無いと出会えないと思う。周辺は変わった邸宅もあって、探検するには楽しい区域だ。

まだぴかぴかの店内は、店主さんの「好きなもの」で溢れている。たぶん今後は少しずつ洗練され整理されていくのだろうが、今の雰囲気も悪くない。
ケーキも美味しそうで迷ってしまう。迷ったので、1つのケーキを選択し、そこに各種のスイーツを組み合わせてくれる贅沢なセット、「デザートプレート」を注文した。
チーズタルトは黒いクッキー生地に、とろっとしたチーズクリームが入っている。アメリカンな雰囲気そのままの美味しいタルトだった。
シフォンケーキは抹茶がきちんと香る。パンナコッタも美味しい。全てに可愛らしいハロウィンの飾り菓子がついていて、嬉しくなってしまう。

今は週末の限定された日だけの営業。ひっきりなしにお客さんが訪れていて、僕が帰る頃にはケーキは売り切れていた。

この店、今回はコーヒーを飲んだけれど、チャイが抜群に美味しい。前にも書いた気がするが、静岡市において、また飲みたいと思ったチャイは本当に珍しいのだ。

Atelier petit Calin」、良いお店です。カフェ・ブームの頃を思い出させてくれる活気と空気感が楽しめた。お薦め。

 

http://petit-calin.jugem.jp/

Atelier petit Calin

静岡県静岡市葵区大岩4-29-29

※開店日はブログで確認したほうが良いと思う。

 

 

 

 

10月10日(月)豊島(前編:特に豊島美術館) #瀬戸内国際芸術祭 #豊島美術館

旅の記憶そのものは薄れてきているが、印象は強く残っている。最近は瀬戸内国際芸術祭のことを友人知人に話す機会が幾度かあって、どういう旅だったのか、をようやく整理して説明できるようになってきた。といっても「とにかくすごい。行けばわかる」ばかり語る自分は、よく知る人達からみると「君にしては、ずいぶん珍しい」らしい。自分のことは自分ではよくわからないものだ。

 

さて、その「行けばわかる」の筆頭、豊島の「豊島美術館」について書こうと思う。
ここは、春には行きそびれた。豊島自体は訪れたのだが、それはほとんど「道に迷って知らない路地を楽しんだ」程度の時間と熱意であって、港の周囲をぐるぐる巡って、次の船が来たらそれに乗って別の島に行っただけだった。美術館は山の向こうで、まだ距離感もわからない頃だった。ただ島を自分の自転車で行き来するだけで満足していた、のだとも思う。

今回は準備万端。
美術館もレンタサイクルもきちんと事前に予約してある。この辺りの情報は id:cimacox さんのブログが参考になった。


レンタサイクルは、電動自転車を選択。この電動自転車は、豊島では素晴らしい働きをした。なにしろ坂が多いのだ。自分のSTRIDAは小径車だから坂そのものはたぶん根気さえあれば大丈夫。ただそれは、「歩けば大丈夫」と同じであり、時間と体力を節約するにはやはりモーターとバッテリーは絶対に必要である。坂は多いが距離は短い、そんな地理もあって、バスよりも電動自転車がおすすめ。
電動自転車は数十年ぶり。とても進歩していて、扱いやすい。1分で慣れる。のんびり走るだけでなく、急ぐ時にこそモーターアシストが有難い。平地並みに頑張るだけで、坂でも無理が効くのは、時間に縛られた旅において無二の価値を持つ。

港からぐいぐいとモーターと足に頑張ってもらって辿り着いた豊島美術館。峠を抜けて、美術館と棚田と海を見下ろした時は、声が出そうだった。なるほど写真を撮りたくなる風景、そして実際に、僕も撮影した。

美術館へは、Web予約した時刻3分前に到着。
美術館自体は、あまり下調べをせずに行ったこともあり、驚きの連続だった(収蔵数はどの程度なのだろう?とかその程度の認識)。作品は1点、美術館そのものがアートだった。

撮影禁止。それに、画像と、そして言葉を重ねても伝わらない場所だと思っている。あの作品だからこそ感じる何か、それは要約や、他の手段ではほとんど意味が無い。
アートとは“そのかたちでなければ意味が薄れる・意味が無い”部分が多分にあると思っている。この豊島美術館は、その割合が大きい、大きすぎる。だから今日もまた「行けばわかる」と友人に伝えてきた。

既に訪れたことのある人達で、つい感想を語り合ってしまう傾向もまた、この作品にはある。「雨の日にも行きたい」「他の季節ではどうだろう」「自分が行った時は…」と、FacebookInstagramや他のSNSで、見知らぬ人からのコメントをたくさんやりとりした。そればかりか、他の展示を見て回っている時、船を待っている時にさえ、この「豊島美術館」に感染した人達(見知らぬ人達!)で短いやりとりをしたのだ。そういう作品は珍しい。

僕はまずあの「空間」に入った時に、この展示には特別なルールがあるのかと思ったのだった。撮影禁止、静寂を維持せよ、汚すな、靴はここで脱いでいくこと、その程度の注意は受けていた。あれに触れるなここに入るな、そんな説明は無かった。でも、みんな日向と日陰の境界線は越えようとせず、意図を持って作られたであろうモノには一切触らない。そして、しゃがみ込み、座り、思い思いの時間を過ごしていく。

どんなマテリアルと仕組みで作品が作られているのかは、すぐわかる。でも、なんでまたこんなものを、と“作られた理由”を考えてもよくわからない。きっと美術館が完成した時には地元の人達やコンクリートを塗った職人さんも招かれたのだろうが、びっくりしただろうな、なんて考えたことは覚えている。

しょうもない事は考えるのに、例えば隠し撮りをしてネットで紹介、といった行為はできないし、そんな考えも浮かばなかった。弛緩しているのに敬虔な気持ちにもなるし、大きなことも小さなことも考えてしまう。

まるで結界のようだった。外とは違うルールで過ごす時間。でも緊張だけでなくて、リラックスできた。
1人だけ、いかにもヨガです、ってスタイルの座禅をしている人がいたけれど、あの空間ではなんだか陳腐に見えてしまう。他人がどう楽しもうと勝手なのだろうが、既存の(おそらく自身が信じる)ことばを持ち込むと格好悪くなる場所があるとしたら、豊島美術館はまさにそれだろう。

まさしく「希有」な体験をした“美術館”だった。
1枚のチケットで、その日ならば何度も出入りできるため(ただし予約やチケットを買ったばかりの人が優先される)、午前と午後の2回、あの空間を堪能した。

 

美術館そのものだけでなく、ミュージアムショップも、そしてなにより外の風景も素晴らしかった。棚田と海を色々な方向から眺めるために坂を上り下りして、芸術祭とは関係無い道まで走ってしまった。
この美術館、そして直島の地中美術館は、間違いなく、訪れる価値のある建物だと考えている。
もし次の瀬戸内国際芸術祭が開催されたら、あるいは単なる観光旅行であっても、再訪したいと思っている。

ふと思ったけれど、トリエンナーレ形式の芸術祭では、開催以後2年ぶんのカレンダーを売ってくれると嬉しいかもしれない。
2年間を思い出とともに過ごし、3年目に(もし開催されるのならば)新しい芸術祭のことを考える。リピーターの誕生である。
良い写真も多いだろうし、何より僕が欲しい。

 

直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた

直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた

 
瀬戸内国際芸術祭2016公式ガイドブック

瀬戸内国際芸術祭2016公式ガイドブック

  • 作者: 北川フラム,瀬戸内国際芸術祭実行委員会
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2016/03/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

https://www.instagram.com/p/BL5SivVB4L3/

ところで今日は藤枝市の「ボクゥボクゥ」でコーヒーを飲んできた。まるで瀬戸内国際芸術祭とは関係無いが、これもまた美しい非日常。葡萄のシャルロットが美味しかった。

 

 

翻訳できない世界のことば

翻訳できない世界のことば

 
誰も知らない世界のことわざ

誰も知らない世界のことわざ

 

 

東から西へのんびりと

久しぶりに、ひとつも予定が無い休日となった。
いや、実際は静岡市美術館で開催されるという「スタジオジブリ・レイアウト展」へ行く予定があったのだが、ちょうど1ヶ月、日付を間違えていたのだ。たぶんカレンダー・アプリへの登録でミスをしていたのだろう。道理で美術館周辺が静かだったはずだ。ジブリ関係なら、初日はもっと賑わうし、内容がレイアウトでも広告は派手だっただろう。

STRIDA(ストライダ) 16インチ折りたたみ自転車 シングルスピード アルミフレーム 前後ディスクブレーキ STRIDA LT BRUSH (2015)

ともあれ穏やかに曇っていて、自転車日和ではある。
清水区に車を停めて、のんびりと静岡駅前の市街地を目指す。僕の「STRIDA」はあまり長距離走行には向いていないし、僕にとっては10kmを超えたら長距離だ。大汗をかく訳ではないけれど、スピードが出ないから、飽きてくるし、やはり疲れる。でも楽しい。たまに脇道に逸れて、土地勘の無い区域を探検した。

 

 

https://www.instagram.com/p/BL2ZagKh-OS/

昼食は鷹匠の「ALLEE RESTAURANT」でサンドイッチのセットを楽しむ。今日は鶏肉の照り焼きと、サツマイモのペーストのサンドイッチ。珍しい組み合わせだと思う。ちょっとびっくりした。

とても美味しい。この店のランチは、添えられているポテトも美味しいと思う。皮付きで大ぶり、揚げたてに何やらスパイスがまぶされている。

ALLEE RESTAURANT

静岡県静岡市葵区鷹匠3-18-20 古永家ビル 2F 

他にも、例えば「MARIATHANK」でケーキを食べたり、友人とお茶を飲んだり(さすがにケーキは食べなかった。干菓子を少しつまむ)して、夕方までのんびりと過ごす。

自転車で車まで戻り、清水区ユニクロを覗いて(ずいぶん混雑していた。何も買わない)、それから帰宅。

 

夕食は酢橘を使った鶏うどんを作る。
手羽先から濃いめの出汁をとり、塩で調味。野菜はゴボウのみ。酢橘の薄切りを浮かべた。副菜はニンジンのマリネ。うどんにマリネ、変だが好物だから良いのだ。

そういえば高松は酢橘(すだち)がとても安かった。土産にどっさり買って数百円。気軽に配るのに向いている。珍しくもないし、お菓子のように食べる訳ではないけれど、料理をする人には喜ばれた。いわゆる「バッグの隙間」に買った品だったが、きちんとビニール袋に入れておけば(頑丈とはいわないまでも)潰れるようなことはない。

先ほどまで、寝転んで「天冥の標」を読んでいた。たまに眠って、今になって入浴、そしてこの日記を書いている。「天冥の標」は、お話自体は荒唐無稽寸前のSFだが、語られる言葉は“今の自分”に向けられているように思ってしまう。不思議なシリーズだ。

 

 

また寝ながら読書を続けようと思う。どういうわけか唇にヘルペス風の嫌な何かが生じている。理由は不明。とりあえず様子を見る。

 

静波海岸散策と疲労のこと

所用で朝から外出。静岡県中部から西部へ向けて海沿いを巡る。そ
の途中で静波海岸近くを通ったため、これ幸いと「mahoroba」へ立ち寄った。

大好きなエスニック料理店。タイ料理をメインに、地元の野菜をたっぷり使った食事が楽しめる。現在は週末を中心に朝と昼の営業。とても健康的な外食だが、きちんと美味しいし、妙な(安直なナチュラリスト的な)能書きも皆無。良い店です。国道150号沿いの住人は是非行って欲しい。

https://www.instagram.com/p/BLkdj2zBtRi/

 

https://www.instagram.com/p/BLkeXSLhWHN/

今日は「汁無しのタイヌードル」と「カボチャ、豆、里芋のココナツカレー煮」を食べた。どちらも素晴らしい。ココナツカレー煮は家でも試してみようか。里芋って南国の植物なのだと認識させられる味。

どういうわけか、店先にカニが歩いていた。波の音が聞こえるほど海沿いではないけれど、用水路はあるから、特に支障は無いのかもしれない。陸上でも平気そうな種類は、生活としては虫とそれほど変わらないのだろう。

https://www.instagram.com/p/BLkbaFuhiA1/

https://www.instagram.com/p/BLkbkGTB90W/

 

MAHOROBA

www.instagram.com

  

 

食事のあとはしばし散策。

折りたたみ自転車で、夏の間は海水浴場だった辺りを走る。海の家は閉店しているが、サーファーの数は多い。昔の知り合いが海岸にいたので少し話をした。彼は実家暮らしだが、友人達と共同でアパートの1室を借りていて、そこをサーフィン趣味の拠点としている。アパートの外にある水道にシャワーがついているあたり、そんな利用法を大家側も承知しているのだろう。

 

 

天気は絵に描いたような秋晴れ。
気持ちが良いけれど、なんだか足が重い。
夕方、帰宅前に大型商業施設とホームセンターとアウトドア用品店に行ったのだが、買物のスタートからゴール(ゴール?目的のものを買い、いくつかを諦め、今後の検討リストを整理した状態です)に至るまで、延々と「ああ疲れた」と考えていた。
それでも足だけは動き続け、しかも「買物なんて止めて、さっさと帰ろう」とは思わないタイプの疲労だった。

幸いなことに、帰宅して一息ついた後に確認した限りでは、無駄な買物はしていない。やけに時間はかかったが、金銭的な無駄はそれほどでもなかったようだ。

こんな事が前にもあった気がする。そして日記にも書いたような。
旅が終わって夜に自宅に着いて、翌日から休まず働き、意外と疲れもしなかったし平気だったな、と思っていたら土曜日に唐突な疲労が襲ってくる。病気とか、体調を崩す、とまではいかないが、大変なことは確かだ。

というわけで今日は寝ます。念のために葛根湯を飲んだ。冬服を出しておきたかったが、それは明日にがんばる。もうお風呂も入ってしまったから、こうして日記を書いている。困ったことに、だんだん元気になってきた。

 

夜行

夜行

 

 

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。