映画とか自転車とか南極建築とか。

https://www.instagram.com/p/BOWsmJshTzi/

風は強く、しかし暖かく晴れた祝日。

自転車に乗って、静岡市南部から市街地まで散策する。

STRIDA(ストライダ) 16インチ折りたたみ自転車 シングルスピード アルミフレーム 前後ディスクブレーキ STRIDA LT BLACK (2015)

 

 


映画館で「ローグ・ワン/スターウォーズストーリー」を鑑賞。良い作品だった。スピンオフとはこうでなくては。

感想は後日書く、と思う。

 

アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

 

 

 

映画の時間が昼近くだったため、昼食を食べ損ねる。
行く先々のケーキ・カフェで「本日は持ち帰りのみで御座います」との貼り紙に遭遇。なるほどクリスマスパーティー日和だ。

https://www.instagram.com/p/BOWTL_PBLiF/

そんなわけで入った鷹匠のバール(を名乗る、実際は酒抜きのコーヒー店)は、コーヒーこそ美味しかったものの、それ以外は特筆すべき点の見つからない、良くも悪くも凡庸な店だった。元々あったカフェをそのまま使った新しい店だが、雑な部分や気になるところがそのまま引き継がれていて、もしかして看板だけ変えたのではないかと思ってしまう。
要は期待外れだったので、店名は秘密。

 

そんな休日。生産性は低く、懸案は山積みで、でも明日も明後日も休日だから安心安全。うっかり先ほどまでうたた寝していた程だ。
そして今から、また寝る。今日はもう、何かを為す気になれない。明日は「スタジオジブリ・レイアウト展」に行けたら良いのだが。

「スタジオジブリ・レイアウト展」|静岡市美術館

 

 

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

 この本、とても面白い。
モリナガヨウ氏のイラスト目当てで買ったが、それ以外も読み応えがあるし、知識が無くとも読み進めると理解が深まる親切設計。
映画館で暗くなる前に読んでいたら、隣の席の見知らぬカップルに「それ売店にありました?」って聞かれてしまった。いや、スターウォーズ関連書籍じゃないのです。極地の不思議な建築物(多くが探査基地)が、なんとなくスターウォーズ的に見えるのは、わかる気がするが。

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

 

 

10月10日(月)豊島(後編) #瀬戸内国際芸術祭

そろそろ書いておかないと忘れてしまう。
旅の思い出。

 

10月10日は旅の最終日。つまり、帰る時刻を気にする必要があった。翌日から普通に出勤するから、あまり無理はできない。

でも予想していたよりも、自由自在に島を巡ることができた。電動自転車がそれを可能にした。

例えば昼食の確保と、それに伴う時間的制約。
豊島といえば「島キッチン」だが、ここの混み具合はすごかった。豊島美術館のあとに、開店直後に訪れたのだが、列に並んで得たのは「1時間30分後の予約」。
こういう時こそ自転車の機動力が発揮される。

 

 

 

いちおう時刻の20分前にアラームをセットし、まずは島キッチンの周辺を巡る。それから、やや離れた「唐櫃浜」の集落に向かう。途中で再び豊島美術館へ立ち寄り、お茶を飲みつつ休憩。
唐櫃浜へ行く途中で寄り道をしつつ、島のスケール感を明確にする。地図だけでは掴めない時間と距離がわかれば、安心して展示を楽しめる。他の島ならばともかく、豊島は山道が続くため、電動自転車でなければできなかったと思う。

唐櫃浜では軽く食事をとる。
といっても、きちんとしたお店は無く、お年寄りがリヤカーに乗せて売りにきた「たこ飯」の最後の1個を、知らない旅行者達と半分ずつ買っただけ。でもとても美味しかったし、彼女達とのやりとりも楽しかった。たぶんミカン、でも皮が綺麗ではなくて酸味が強い柑橘類を1個貰う。

 

唐櫃港から少し離れたところにある「心臓音のアーカイブ」、ここは素晴らしい場所だった。ひみつ基地というか、自分だけの場所というか。真っ暗な展示室と、外の美しい浜辺。長い時間を過ごしたし、またいつか行きたいとも思った。この旅で「美しい景色」といえば、ここを思い出す。

setouchi-artfest.jp

「島キッチン」のごはんは、美味しい。ただし格別に美味で旅の醍醐味を感じる、という程のものではないと思う。あくまで家庭料理の延長というのだろうか。帰りに(お茶を飲みに)立ち寄った「海のレストラン」のほうが好みには合う。

www.chc-co.com

 

バス停はあるものの、1箇所だけ離れていて、しかも山の中、という立地だからか、他の展示に比べて静かだった「トムナフーリ」は、しかし素晴らしいアートだった。
どう見たって作り物、謳われている「スーパーカミオカンデニュートリノ検出と連動して発光する」だって意味があるとは思えないのだが、そういう理屈を超えて、あの沼地とオブジェが特別に見えてくる。こればっかりは行ってみないと、という奴である。
SFと梨木香歩が好きなら最高に“持っていかれる”ような気がする。

setouchi-artfest.jp

「豊島シーウォールハウス」もまた、印象に残った展示。
なるほど民家を改造した展示、なるほどこのスクリーンに映像が、なるほどこのドラムセットは実際に音が…と個別に見ていて、それらが連動してひとつの音楽ともいえない何かを作り上げていると気付いてからが長かった。なかなか立ち去るタイミングが掴めない。賑やかではないし、緊張もリラックスもしないのに、ただそこにいたいとだけ思える。希有な体験をした。

setouchi-artfest.jp

 

見たいところは概ね見たし、まずは船の切符を確保して、あとはのんびり港の周りを散策しよう、などと考え家浦の港に寄ってみたところ、既に切符売り場への行列ができていた。まだ販売時刻でもないのに。急いで自転車を返し、列に並ぶ。数十分並んだあとに、ようやく切符を買うことができた。後から来た人達のなかには、希望する船に乗れなかった人もいた様子。
僕も「犬島」経由の便を薦められた。犬島に寄って展示を見て、それから本州に渡る、というプラン。かなり心惹かれたけれど、時間が遅くなるため断念。

ともあれさようなら瀬戸内国際芸術祭。
最後に宇野港、そう、春に訪れた時は起点となった港に戻ってきた時は、ちょっとつつけば泣いてしまいそうだった。旅の終わりはいつも寂しいが、感慨という点では特別な旅だったと思う。

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BMvOFBwhCjs/

そして今日、いつもの「つきさむ」でおやつ(クリームタルト)とコーヒーを楽しんでいた時に、置いてあったフライヤーで「北アルプス国際芸術祭2017」の存在を知った。

shinano-omachi.jp

今はもう冷静だが、知った直後は「これは行くしかないだろう」と心がざわめいた。今までの人生で、特定のイベント、例えば野外フェスとか御開帳とか、何かひとつのテーマで旅行を続けたことが一度も無いのだけれど(しいて言えば水族館)、これからは「国際芸術祭」を軸にした旅をしそうな気がする。「瀬戸内国際芸術祭2016」が僕に残したもの、それは次の旅のテーマかもしれない。
ここ最近なんとなく続いている、「かっこいい美術館」にも行きたい気分も、同じく、春と秋の瀬戸内旅行が影響しているだろうし。

 

旅を続けるために、またしばらく勤労の日々に。
旅を続けるために、とりあえず死なないように頑張ろう。

 

 

 

昨日のデザートプレート

日曜日のおやつの話。
昨日の昼過ぎに静岡の街まで行った。帰りに城北公園まで自転車を走らせる。元々、市街地の外れに車を停めて、そこから折り畳み自転車で街まで行ったのだった。散策の輪を広げてみると、車では出会えない場所に辿り着く。

https://www.instagram.com/p/BMLMOnvBRTi/

 

そしてそのおやつは、「Atelier petit Calin」という名のケーキ・カフェにて食した。城北公園からは近いが、住宅地の中にある新しいお店で、何かしらの情報が無いと出会えないと思う。周辺は変わった邸宅もあって、探検するには楽しい区域だ。

まだぴかぴかの店内は、店主さんの「好きなもの」で溢れている。たぶん今後は少しずつ洗練され整理されていくのだろうが、今の雰囲気も悪くない。
ケーキも美味しそうで迷ってしまう。迷ったので、1つのケーキを選択し、そこに各種のスイーツを組み合わせてくれる贅沢なセット、「デザートプレート」を注文した。
チーズタルトは黒いクッキー生地に、とろっとしたチーズクリームが入っている。アメリカンな雰囲気そのままの美味しいタルトだった。
シフォンケーキは抹茶がきちんと香る。パンナコッタも美味しい。全てに可愛らしいハロウィンの飾り菓子がついていて、嬉しくなってしまう。

今は週末の限定された日だけの営業。ひっきりなしにお客さんが訪れていて、僕が帰る頃にはケーキは売り切れていた。

この店、今回はコーヒーを飲んだけれど、チャイが抜群に美味しい。前にも書いた気がするが、静岡市において、また飲みたいと思ったチャイは本当に珍しいのだ。

Atelier petit Calin」、良いお店です。カフェ・ブームの頃を思い出させてくれる活気と空気感が楽しめた。お薦め。

 

http://petit-calin.jugem.jp/

Atelier petit Calin

静岡県静岡市葵区大岩4-29-29

※開店日はブログで確認したほうが良いと思う。

 

 

 

 

10月10日(月)豊島(前編:特に豊島美術館) #瀬戸内国際芸術祭 #豊島美術館

旅の記憶そのものは薄れてきているが、印象は強く残っている。最近は瀬戸内国際芸術祭のことを友人知人に話す機会が幾度かあって、どういう旅だったのか、をようやく整理して説明できるようになってきた。といっても「とにかくすごい。行けばわかる」ばかり語る自分は、よく知る人達からみると「君にしては、ずいぶん珍しい」らしい。自分のことは自分ではよくわからないものだ。

 

さて、その「行けばわかる」の筆頭、豊島の「豊島美術館」について書こうと思う。
ここは、春には行きそびれた。豊島自体は訪れたのだが、それはほとんど「道に迷って知らない路地を楽しんだ」程度の時間と熱意であって、港の周囲をぐるぐる巡って、次の船が来たらそれに乗って別の島に行っただけだった。美術館は山の向こうで、まだ距離感もわからない頃だった。ただ島を自分の自転車で行き来するだけで満足していた、のだとも思う。

今回は準備万端。
美術館もレンタサイクルもきちんと事前に予約してある。この辺りの情報は id:cimacox さんのブログが参考になった。


レンタサイクルは、電動自転車を選択。この電動自転車は、豊島では素晴らしい働きをした。なにしろ坂が多いのだ。自分のSTRIDAは小径車だから坂そのものはたぶん根気さえあれば大丈夫。ただそれは、「歩けば大丈夫」と同じであり、時間と体力を節約するにはやはりモーターとバッテリーは絶対に必要である。坂は多いが距離は短い、そんな地理もあって、バスよりも電動自転車がおすすめ。
電動自転車は数十年ぶり。とても進歩していて、扱いやすい。1分で慣れる。のんびり走るだけでなく、急ぐ時にこそモーターアシストが有難い。平地並みに頑張るだけで、坂でも無理が効くのは、時間に縛られた旅において無二の価値を持つ。

港からぐいぐいとモーターと足に頑張ってもらって辿り着いた豊島美術館。峠を抜けて、美術館と棚田と海を見下ろした時は、声が出そうだった。なるほど写真を撮りたくなる風景、そして実際に、僕も撮影した。

美術館へは、Web予約した時刻3分前に到着。
美術館自体は、あまり下調べをせずに行ったこともあり、驚きの連続だった(収蔵数はどの程度なのだろう?とかその程度の認識)。作品は1点、美術館そのものがアートだった。

撮影禁止。それに、画像と、そして言葉を重ねても伝わらない場所だと思っている。あの作品だからこそ感じる何か、それは要約や、他の手段ではほとんど意味が無い。
アートとは“そのかたちでなければ意味が薄れる・意味が無い”部分が多分にあると思っている。この豊島美術館は、その割合が大きい、大きすぎる。だから今日もまた「行けばわかる」と友人に伝えてきた。

既に訪れたことのある人達で、つい感想を語り合ってしまう傾向もまた、この作品にはある。「雨の日にも行きたい」「他の季節ではどうだろう」「自分が行った時は…」と、FacebookInstagramや他のSNSで、見知らぬ人からのコメントをたくさんやりとりした。そればかりか、他の展示を見て回っている時、船を待っている時にさえ、この「豊島美術館」に感染した人達(見知らぬ人達!)で短いやりとりをしたのだ。そういう作品は珍しい。

僕はまずあの「空間」に入った時に、この展示には特別なルールがあるのかと思ったのだった。撮影禁止、静寂を維持せよ、汚すな、靴はここで脱いでいくこと、その程度の注意は受けていた。あれに触れるなここに入るな、そんな説明は無かった。でも、みんな日向と日陰の境界線は越えようとせず、意図を持って作られたであろうモノには一切触らない。そして、しゃがみ込み、座り、思い思いの時間を過ごしていく。

どんなマテリアルと仕組みで作品が作られているのかは、すぐわかる。でも、なんでまたこんなものを、と“作られた理由”を考えてもよくわからない。きっと美術館が完成した時には地元の人達やコンクリートを塗った職人さんも招かれたのだろうが、びっくりしただろうな、なんて考えたことは覚えている。

しょうもない事は考えるのに、例えば隠し撮りをしてネットで紹介、といった行為はできないし、そんな考えも浮かばなかった。弛緩しているのに敬虔な気持ちにもなるし、大きなことも小さなことも考えてしまう。

まるで結界のようだった。外とは違うルールで過ごす時間。でも緊張だけでなくて、リラックスできた。
1人だけ、いかにもヨガです、ってスタイルの座禅をしている人がいたけれど、あの空間ではなんだか陳腐に見えてしまう。他人がどう楽しもうと勝手なのだろうが、既存の(おそらく自身が信じる)ことばを持ち込むと格好悪くなる場所があるとしたら、豊島美術館はまさにそれだろう。

まさしく「希有」な体験をした“美術館”だった。
1枚のチケットで、その日ならば何度も出入りできるため(ただし予約やチケットを買ったばかりの人が優先される)、午前と午後の2回、あの空間を堪能した。

 

美術館そのものだけでなく、ミュージアムショップも、そしてなにより外の風景も素晴らしかった。棚田と海を色々な方向から眺めるために坂を上り下りして、芸術祭とは関係無い道まで走ってしまった。
この美術館、そして直島の地中美術館は、間違いなく、訪れる価値のある建物だと考えている。
もし次の瀬戸内国際芸術祭が開催されたら、あるいは単なる観光旅行であっても、再訪したいと思っている。

ふと思ったけれど、トリエンナーレ形式の芸術祭では、開催以後2年ぶんのカレンダーを売ってくれると嬉しいかもしれない。
2年間を思い出とともに過ごし、3年目に(もし開催されるのならば)新しい芸術祭のことを考える。リピーターの誕生である。
良い写真も多いだろうし、何より僕が欲しい。

 

直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた

直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた

 
瀬戸内国際芸術祭2016公式ガイドブック

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  • 作者: 北川フラム,瀬戸内国際芸術祭実行委員会
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2016/03/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

https://www.instagram.com/p/BL5SivVB4L3/

ところで今日は藤枝市の「ボクゥボクゥ」でコーヒーを飲んできた。まるで瀬戸内国際芸術祭とは関係無いが、これもまた美しい非日常。葡萄のシャルロットが美味しかった。

 

 

翻訳できない世界のことば

翻訳できない世界のことば

 
誰も知らない世界のことわざ

誰も知らない世界のことわざ

 

 

東から西へのんびりと

久しぶりに、ひとつも予定が無い休日となった。
いや、実際は静岡市美術館で開催されるという「スタジオジブリ・レイアウト展」へ行く予定があったのだが、ちょうど1ヶ月、日付を間違えていたのだ。たぶんカレンダー・アプリへの登録でミスをしていたのだろう。道理で美術館周辺が静かだったはずだ。ジブリ関係なら、初日はもっと賑わうし、内容がレイアウトでも広告は派手だっただろう。

STRIDA(ストライダ) 16インチ折りたたみ自転車 シングルスピード アルミフレーム 前後ディスクブレーキ STRIDA LT BRUSH (2015)

ともあれ穏やかに曇っていて、自転車日和ではある。
清水区に車を停めて、のんびりと静岡駅前の市街地を目指す。僕の「STRIDA」はあまり長距離走行には向いていないし、僕にとっては10kmを超えたら長距離だ。大汗をかく訳ではないけれど、スピードが出ないから、飽きてくるし、やはり疲れる。でも楽しい。たまに脇道に逸れて、土地勘の無い区域を探検した。

 

 

https://www.instagram.com/p/BL2ZagKh-OS/

昼食は鷹匠の「ALLEE RESTAURANT」でサンドイッチのセットを楽しむ。今日は鶏肉の照り焼きと、サツマイモのペーストのサンドイッチ。珍しい組み合わせだと思う。ちょっとびっくりした。

とても美味しい。この店のランチは、添えられているポテトも美味しいと思う。皮付きで大ぶり、揚げたてに何やらスパイスがまぶされている。

ALLEE RESTAURANT

静岡県静岡市葵区鷹匠3-18-20 古永家ビル 2F 

他にも、例えば「MARIATHANK」でケーキを食べたり、友人とお茶を飲んだり(さすがにケーキは食べなかった。干菓子を少しつまむ)して、夕方までのんびりと過ごす。

自転車で車まで戻り、清水区ユニクロを覗いて(ずいぶん混雑していた。何も買わない)、それから帰宅。

 

夕食は酢橘を使った鶏うどんを作る。
手羽先から濃いめの出汁をとり、塩で調味。野菜はゴボウのみ。酢橘の薄切りを浮かべた。副菜はニンジンのマリネ。うどんにマリネ、変だが好物だから良いのだ。

そういえば高松は酢橘(すだち)がとても安かった。土産にどっさり買って数百円。気軽に配るのに向いている。珍しくもないし、お菓子のように食べる訳ではないけれど、料理をする人には喜ばれた。いわゆる「バッグの隙間」に買った品だったが、きちんとビニール袋に入れておけば(頑丈とはいわないまでも)潰れるようなことはない。

先ほどまで、寝転んで「天冥の標」を読んでいた。たまに眠って、今になって入浴、そしてこの日記を書いている。「天冥の標」は、お話自体は荒唐無稽寸前のSFだが、語られる言葉は“今の自分”に向けられているように思ってしまう。不思議なシリーズだ。

 

 

また寝ながら読書を続けようと思う。どういうわけか唇にヘルペス風の嫌な何かが生じている。理由は不明。とりあえず様子を見る。

 

静波海岸散策と疲労のこと

所用で朝から外出。静岡県中部から西部へ向けて海沿いを巡る。そ
の途中で静波海岸近くを通ったため、これ幸いと「mahoroba」へ立ち寄った。

大好きなエスニック料理店。タイ料理をメインに、地元の野菜をたっぷり使った食事が楽しめる。現在は週末を中心に朝と昼の営業。とても健康的な外食だが、きちんと美味しいし、妙な(安直なナチュラリスト的な)能書きも皆無。良い店です。国道150号沿いの住人は是非行って欲しい。

https://www.instagram.com/p/BLkdj2zBtRi/

 

https://www.instagram.com/p/BLkeXSLhWHN/

今日は「汁無しのタイヌードル」と「カボチャ、豆、里芋のココナツカレー煮」を食べた。どちらも素晴らしい。ココナツカレー煮は家でも試してみようか。里芋って南国の植物なのだと認識させられる味。

どういうわけか、店先にカニが歩いていた。波の音が聞こえるほど海沿いではないけれど、用水路はあるから、特に支障は無いのかもしれない。陸上でも平気そうな種類は、生活としては虫とそれほど変わらないのだろう。

https://www.instagram.com/p/BLkbaFuhiA1/

https://www.instagram.com/p/BLkbkGTB90W/

 

MAHOROBA

www.instagram.com

  

 

食事のあとはしばし散策。

折りたたみ自転車で、夏の間は海水浴場だった辺りを走る。海の家は閉店しているが、サーファーの数は多い。昔の知り合いが海岸にいたので少し話をした。彼は実家暮らしだが、友人達と共同でアパートの1室を借りていて、そこをサーフィン趣味の拠点としている。アパートの外にある水道にシャワーがついているあたり、そんな利用法を大家側も承知しているのだろう。

 

 

天気は絵に描いたような秋晴れ。
気持ちが良いけれど、なんだか足が重い。
夕方、帰宅前に大型商業施設とホームセンターとアウトドア用品店に行ったのだが、買物のスタートからゴール(ゴール?目的のものを買い、いくつかを諦め、今後の検討リストを整理した状態です)に至るまで、延々と「ああ疲れた」と考えていた。
それでも足だけは動き続け、しかも「買物なんて止めて、さっさと帰ろう」とは思わないタイプの疲労だった。

幸いなことに、帰宅して一息ついた後に確認した限りでは、無駄な買物はしていない。やけに時間はかかったが、金銭的な無駄はそれほどでもなかったようだ。

こんな事が前にもあった気がする。そして日記にも書いたような。
旅が終わって夜に自宅に着いて、翌日から休まず働き、意外と疲れもしなかったし平気だったな、と思っていたら土曜日に唐突な疲労が襲ってくる。病気とか、体調を崩す、とまではいかないが、大変なことは確かだ。

というわけで今日は寝ます。念のために葛根湯を飲んだ。冬服を出しておきたかったが、それは明日にがんばる。もうお風呂も入ってしまったから、こうして日記を書いている。困ったことに、だんだん元気になってきた。

 

夜行

夜行

 

 

10月8日(土)観音寺、本島、丸亀 #瀬戸内国際芸術祭(前編)

東京都から射出され加速中の新幹線に飛び乗る、それが静岡県民にとっての西へ向かう電車旅の始まり。JRは静岡が嫌いなので、停車も減速もしない方針なのだ。義体化が一般化した現代でも、たった数分の「ランデヴー・ウインドウ」に間に合わせるために階段を駆け上がることは珍しくない。

新幹線に乗ってしまえばあとは楽なもの。目的地の岡山まではスリープ・モードで過ごす。

岡山駅からは「SHI_O_KAZE_No.5」に乗り換える。日本語で「陸上型瀬戸海峡突破特殊装置群五号」と訳される電車型のそれは、瀬戸大橋を強引に走行して四国へ突入するのだ。ここからが異郷、「ぼっけえ、きょうてえ」の四国である。

 

 

 

特急しおかぜ5号は定刻通りに観音寺駅へ到着。
気温、大気組成、気圧とも許容範囲。明るく晴れた、静かな街。

ここ観音寺は、瀬戸内国際芸術祭2016とは(個人的には)関係しない。「餡入り餅の入ったうどん店」などの、飲食を目的とした訪問だ。

駅前にあった瀬戸内国際芸術祭の案内所でレンタサイクルなるモビリティ・デバイスを借りる。静岡県における「ママチャリ」によく似たそれは、タイヤの空気圧が足りないこと、ブレーキパッドが摩耗していること、サドルが低すぎることを除けば快調そのもの。
軽く走った限り「汎用田舎度判定」は地元と変わらないレベル。が、山の形が違い、田畑の雑草が違い、そして人間が少ない。この人間の少なさは、この旅のほとんどの場所で感じることになる。

 

残念ながら、目的の店「かなくま」は、祭のために閉店中だった。店の人に薦められ、祭の開催されている方面に向かう。
この祭、子供達が引く山車や神輿のようなものが興味深い。見たことの無い形だった。

それにしても腹が減ったと思った辺りに、小さなうどん店がある。気がつくとそこにうどん店、もまた四国らしさと言えるかもしれない。

名前も忘れた観光客向けではない店だったが、素晴らしい昼食を楽しめた。「ばらずし」や「おでん」はセルフサービス、うどんは店員に注文するスタイルらしいが、これは誰も教えてくれないため、かなり異国感がある。
異国といえば、店員さん(ほぼ全員が老婆)同士のやりとりが聞き取れないところも「遠くへ来た」と思わせるのだった。平文と暗号、そして圧縮言語を混在させたその老婆間通信は、ところどころに聞き取れる単語が混じるために、逆に盗聴を困難にしている。「にくかけさんばんさんかまほっとさきにきつねほっと…」とリズミカルに(数人の老婆が同時に)発声していて、これで厨房はどうなっているのだろうと覗いてみると、そこにもまた老婆が数人。
僕は「肉ぶっかけ冷」と「ばらずし」を食べた。静岡県ではこのような炭水化物偏重の食事は非文明的とされるが、郷には入れば従うのもまた静岡人である。ちなみに「ばらずし」は素朴なちらしずし。美味しかった。

ケーキを食べた和菓子屋さんも素敵だった。落ち着いて温かい感じ。だがしかし、写真を忘れた。

食べるものを食べ、ゆっくり自転車を走らせていると、今日はこれでもう宿に行けばいいんじゃないかと思えてくる。が、僕は瀬戸内国際芸術祭に来たのだ。島に行く。面倒になってきたので、似非SF文体も止める。

 

まず宿のある丸亀へ向かう。

丸亀駅前は、かつて栄えたであろう商店街が残る、懐かしい感じの街だった。子供の頃にこういう港町に住んでいた。「かまど喫茶店」や「フィリピン・バーベキュー」といった不思議な看板に心惹かれる。
若い人達がやっているイベント(美味しいコーヒーと焼き菓子を購入)を冷やかしながら、まずは宿に荷物を預ける。

そして徒歩で港へ。そして「本島」へ。
商店街の入り口で買いこんだタコ焼き(元祖だそうです)は、小さくて醤油味、ちょっと甘い。ソースとマヨネーズと青海苔よりも美味しいと思う。

久しぶりの船。春の瀬戸内国際芸術祭以来か。
懐かしいし、なんだか泣きたいような気分でもあるし、よくわからないがにこにこしてしまう。

本島はそれほど大きくない島。歩いても楽しめそうだが、レンタサイクルで効率よく巡ることにした。起伏は少なく、海沿いの道をゆっくり走るのなら疲労もさほど感じない。

作品を順番に見ながら、港と反対側の集落を目指す。
古い町並みを保存している「笠島」という地区まで行ってみた。

そこで偶然見つけたパン屋さん「honjima bakery」が素晴らしい。古いが面白い造りの建物で土日だけパンを焼いている。宿に帰ってから食べてみたら、ふんわり優しくて好感が持てるパンだった。
ここでは冷たい紅茶を飲んだ。
ミルク抜きで甘くしていない、かつスパイスを効かせたアイスティーをお店で飲んだのは始めてかもしれない。自分ではよく作るが(今朝も作った。職場で飲む)、さっぱりして良いものです。
何もかもが違うが、三重県菰野町のパン屋さん、「ふじっこぱん」が、瀬戸内の離島だったらこうなるのかもしれない。

この島は猫が多い。
可愛いのでみんな写真を撮る。僕も撮る。が、糞の問題は臭いで伝わってくる。たぶん(いわゆる)野良猫問題も発生しているだろう。そう考えると、外来者が楽しむばかりという状況は不健全なのだろうなあ、などと考えてしまう。
瀬戸内の旅において、沢山の猫や、古い建物や感じの良い空き地、もっと言うと“かわいい島のおばあちゃん”といったフォトジェニックで旅人が楽しむ対象のほとんどは、過疎や衰退と繋がっている。
これは、旅の間ずっと考え、今も引っかかっていること。何故だろう、長野の避暑地ではほとんどそんな事を気にしないし、アジアの世界遺産よりも強く意識してしまうのだ。

 

 

さて、展示と、それから夜のごはんについて書く前に、寝る時間になってしまった。別に疲れが溜まっているわけではないのだが、ここ数ヶ月の間、何度か「突発的な病気とそれに伴う有休取得または半休取得」があったため、この「3連休を使った旅」に、少し批判的な人が職場にいるのだ。別にどう思われようとかまわないが、今週は健康第一に過ごさなければ、たぶん“面倒なこと”になる。旅をしたら偏頭痛は消えて、肩こりも緩和して、夜だってぐっすり眠れるようになったのだが、そういうアレコレを(心療内科の件も含め)話しても通じる相手ではない。だからとにかく、寝不足は防ぐ。

それにまだ荷物の整理が完全に終わっていない。早起きして少しずつ進めていく。

 

 

 

 

 

瀬戸内の宿

ようやく、秋の瀬戸内国際芸術祭に向けての準備が進み始めた。やはり、宿をとると、それを“起点”にプランが固まっていく。
今回は島へは泊まらない。どこも宿が空いていなかった。まあ、最初の週かつ連休だから、仕方がないのかもしれない。

そして、生まれて初めての四国への宿泊。
1日目、土曜日は丸亀市の駅前。
丸亀製麺というチェーン店は静岡でもよく見かけるけれど、あの丸亀で合っていると思う。でも、丸亀市製麺所が、日本中の国道沿いやフードコートに出店するだろうか。しかも、製麺所を名乗って。イメージ戦略じゃないかな、しかもあざとい形での、と思ってしまうが、本当のところはわからない。

2日目は高松市内。「ことでん」なる公共交通機関で10分もかからない距離。公園が近い、ということだけ把握している。

 

今回は自転車を持って行かない。
あればとても便利で楽しい折りたたみ自転車だが、10kg近いかさばる荷物を持って歩くのは大変で、しかも今回は自転車乗り入れが不可能な島にも行く。いや、まだ迷ってはいるのだが、冷静に考えるとやはり不要な筈なのだ。冷静と情熱の間で揺れ動く毎日である。

ざっくりとしたプランは立てた。地図画像に矢印を書き込んでみた(こういう時、スマートフォンは便利だ)。明日は細部を詰めて、必要な準備、例えば島でのレンタサイクルを予約したり、時刻表を確認する作業を進めていく。

そういえば、この瀬戸内国際芸術祭の便利なパンフレットが、地元の書店で無料配布されている。
島々の地図と、航路と時刻表。イベントや展示。主な街と港の略図。畳むとA4サイズで、扉開きにするとずいぶんな情報量になる。正直言って、ガイドブックを持ち歩くよりも、外出時はこれだけで十分じゃないか、と思える。これが無料か。春には貰えなかった。

OZmagazine (オズマガジン) 2016年 10月号 [雑誌]

今日、先ほど、書店で1冊の雑誌を買ってしまった。
たまに雑誌の衝動買いをする。「OZ」という、旅をテーマにした女性向けライフスタイル誌か。よくわからないが、瀬戸内国際芸術祭の特集が載っていて、他のアート系情報も充実していて(首都圏が多いが…)、判型が小さくて、スマホ版もダウンロードできるとのことで、買って損はないだろうと判断。まあ、出来心にしては実用的ではないだろうか。

 

 

河口湖への小さな旅

https://www.instagram.com/p/BI9QPaQDPMi/

日帰り旅行よりも小規模な「避暑」をしてきた。
目的地は山梨県の河口湖。富士五湖の1つで、昔ながらの観光地だ。
今回は自転車趣味の友人達と、のんびり折りたたみ自転車でのサイクリングが目的。車とキャリアは友人が頑張ってくれた。折りたたみ自転車を自転車キャリアにくくりつけると、特にSTRIDAのような変わった形のものは、わけがわからない外観になる。高速道路でも一般道でも、他の車の人達が露骨に観察していた。

他に「河口湖自動車博物館」での「一式陸攻」の展示も見てきた。これは素晴らしい博物館の、よくできた展示だったが、写真が上手く保存できなかったため詳細は割愛する。宮崎駿監督の「風立ちぬ」に出てきた主人公の仕事仲間にしてライバル、本庄技師が設計した機体で、世界にもきちんとした形のものはここにあるだけ。夏のみの展示で、良い機会だからと見ることにした。他にも自衛隊の飛行機から、ライトフライヤー、そしてあの「桜花」まで雑多に展示されていて、その他にもスクラップから貴重なものまで山盛りで、柄にもなく平和や時代に思いを馳せる時間となった。

https://www.instagram.com/p/BI9XOtxDnzi/

さて、河口湖のサイクリングである。

1周は20km足らず。小径車では長距離かもしれないが、起伏は少なく風は涼しく、日差しこそ厳しいものの走っていれば快適そのもの。ところどころに周遊道があるが、いわゆるサイクリングロード的なものは整備されていない。ただ、交通量はそれほどでもなく、ロードバイク乗りも全然いないから(彼らはもっと長距離、富士五湖から御殿場まで走る)、ゆっくり安心して走行できた。

なにしろ“ベタ”といって良いほどの観光地。土産物屋や美術館やカフェやレストランはどこを走っていても見つかるし、駐車場やトイレ、展望台も多い。今回はほとんど寄り道せずに1時間、だが休憩や買い物をしながら遊んでも、きっと楽しい。
湖の奥側は、静かな農村と別荘地が続き、これも走っていて気分が良くなる風景だった。
いつもオフシーズンに立ち寄るくらいで、そうなると「古くさい土産物屋と廃墟みたいな旅館、観光客向けの安直な美術館」しか目に入らないのだけれど、久しぶりに訪れてみると、きちんと機能している観光地として、これはなかなか素敵なところではないかと思えたので不思議。

その距離感からしても、自転車でぐるっと走るのは良い選択だと思う。他の湖へは車で移動するとして、自転車はキャリア積載か、あるいはレンタルサイクルでもいい。

とにかく20kmを程よい疲れとともに快適に走れたのだ。さすが高原、過ごしやすい。

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おやつに食べたかき氷、杏のコンポートを使ったものが、とても美味しかった。友人の食べた桃は、とても高級な桃みたいな味わい。名前を忘れたが、実に良い店として印象に残っている。
「信玄氷」なる品、きなこと小豆餡と白玉と黒蜜の、つまり「信玄餅」を模したそれも、和菓子的な甘みがあって良かった。こうして少しずつ別の味を試せるのは、一人旅ではできないこと。

 

やけに喉が渇いたサイクリングではあった。
風が涼しくて乾燥しているから気にならなかったが、やはり発汗はしていたのだろう。がぶがぶ飲んで、よく走った。息切れしない、そして暑さでへばらない、こういう快適な自転車行は楽しい。

 

 

 

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