やわらかい真珠/右目の痛み

眼球とそれを収める眼窩の間に異物が溜まる空間があるらしい。
何年かに一度、抜けた睫毛の束が出てくる。

何か異物感があるな、と思っていたら視界がぼやけて、あれか久しぶりだなと鏡を見ると、黒目の上あたりに黒い毛の束が付いている。身長に取り除き、まじまじと観察する。やはり睫毛が束になっているだけ。特に面白いものでもない。

人によっては粘膜に包まれて、そのまま眼窩の内壁に付いたままになるか、あるいは外に出てきた時にも細長い塊になるという。
どこかで誰かにそんな話を聞いた。
誰なのかは忘れた。
歯医者には歯科衛生士がいて、目医者におけるその衛生士みたいな立ち位置の仕事に就いている人だった気がする。

貝の外套膜に異物が入るとカルシウムや蛋白質によって覆われて真珠になる。人間の目の場合はやわらかいねばねばした塊になる。そうやって無害な異物になっている“身体では無いもの”が人間の身体のあちこちにあるのだろう。手のひらに埋め込まれたシャープペンシルの芯のように。やわらかい真珠みたいなものだ。

 

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さて、その異物、目の奥に留まっていた睫毛の束が久しぶりに発見された。今日の午後に右目から“出てきた”。車を運転中になんとなく気になって、車を停めて摘出。
その時はそれで問題解決したのだけれど、今もまだ鈍い傷みがある。

鏡で瞼のあちこちを見てみると、どうやら睫毛が1本だけ目の中に残っているらしい。
それほど酷い痛みではない。
このまま寝てしまえば忘れてしまうかもしれないし、明日もまだ異物感や傷みが続くかもしれない。
何度か睫毛の把握と摘出を試みたが、なかなか上手くいかない。
あまり触ると目が赤くなるばかり、かといって放置するのも気になる。

シャワーも浴びたし、目を使う作業(このブログを書くことも含めたパソコン作業)も先延ばしにできることばかり。
面倒になったので、今日はもう寝ることにした。

またこの睫毛が眼窩の奥にある“異物が辿りつく場所”に収まるのかもしれない。あるいは、その淵みたいな場所には、今日回収したものとは別にまだまだ滞留した睫毛があるのかもしれない。
埃や砂粒とともに、そういうミリグラム単位の身体ではないものが自分の身体に同居していることは、ちょっと面白いと思う。刺青やピアスや人工関節とは違う何か。睫毛はヒト由来だけれど、異物であることは確かだ。
この面白さは上手く説明できない。なんとなく火葬場を想像するけれど、書けば長くなるし書いても伝わらなさそうだから止めておく。

 

 

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お題「今日の出来事」

 

 

 

 

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズストーリー』

仕事帰りに映画館に寄った。
昔は当たり前に夜の映画館に行っていたけれど*1この5年はそんな習慣も無くなっていた。今日はたまたま、出かけた先で仕事を終えて、近くに映画館があった。ちょうど帰宅渋滞の時間だったこともあって、そしてここ半年は本当に多忙だからチャンスがあれば観たい映画は逃せない。

 


「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」ならず者たち

というわけでハン・ソロさんの映画を観た。

とびきり楽しい作品だった。
小ネタ的にスター・ウォーズ世界のお約束が登場するし、スター・ウォーズ世界でなければ通用しないストーリーではあるのだけれど、普通に面白いSF活劇になっていてファンでなくても楽しめる。
チューバッカさんの大活躍も嬉しい。


フォースもストームトルーパーも表立って登場しない、そしてみんな等身大というか、金や地位や欲のためにひたすら頑張る。そんな等身大の悪党ばかりなのも素晴らしい。
マスター・ヨーダは好きなキャラクターだけれど、ああいう仙人っぽい人が何か語って宇宙の平和や調和云々を求めつつ戦争まで起こすよりも、地に足が付いている感じがする。神話ではなくて歴史の話が僕は好きなのだ。
それからデススター的な超兵器も登場しない。ああいうものが終盤に登場すればそれはもちろん盛り上がるのだが、いつも「2つ作っておけば良いじゃないか」とか考えてしまう。どかーんと手近な星を壊して、報告があって、その後に悪い人が「よし次は反乱軍の本拠地を撃とうフフフ」とか言って、そして準備して、なんて迂遠なことをしているから負けるのだ。換気扇の装甲以前の問題だと思う。

帝国軍の戦略とやる気は別として、やっぱりいつもいつも「みんなの危機」ばかりではつまらない。
自分と身近な仲間の危機、もっと言うとファルコン号に乗り合わせた人達だけが生き残るのに精一杯な程度の危機こそ、観る側だって余計なことを考えずに済む。

 

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド

 

 

外伝・スピンオフだからスケールは小さい。だから人によってはつまらなく思えるかもしれない。スター・ウォーズらしさはそれほどでもないけれど、きちんとスター・ウォーズ世界の面白みがある、変な映画ではある。


スター・ウォーズ・サーガに興味が無い人*2だと、見終わった後に「で、これがどの話に繋がるの?」「知った顔が最後のほうで出てきたけれど、何で?」となるだろう。

SF映画としてはずいぶん粗い(はははハイパー燃料!)うえに、実際のところこの作品でスター・ウォーズ世界にほとんど深みのようなものは加わっていない*3。そういう意味では「ローグ・ワン」とは全然違う。

でも、だからこそ楽しめた。
肩の力を抜いて、冒険や強盗や追跡劇をただ楽しむ。ディズニーランドのアトラクションみたいな作品だった。

ムビチケなどで安く買えば、十中八九文句が出ない、優秀な娯楽作品だと思う。定価で期待していると、どうだろう?

 

 

 

 

 

 

*1:20時が定時の仕事で、その後に45分かけてシネコンに行き、21時過ぎの割引料金で映画を観ていた。

*2:僕はスター・ウォーズファンではないけれど、以前暇つぶしにWikipediaで関連項目を延々と読んでいたのでなんとなく知識として知っている。映画を観ながら意味不明になる事は無い程度の“教養”を持っている。

*3:ガンダムなどはスピンオフの類で世界観が深まるのだけれど、スター・ウォーズはその逆なのが面白い。メインのサーガで隅々まで説明している感がある。

クイックルワイパーの無い時代には。

職場の同僚達は20代。
とても若い。

 

今日たまたま、クイックルワイパーの優秀さについて話す機会があった。

クイックルワイパーについては人生初の独り暮らしの際に購入して感動した記憶がある。実家ではダスキンの契約をしていたけれど、同様の掃除があの薄手の紙みたいなワイパーでできてしまうのだ。髪の毛や埃がどんどん取れるわかりやすさも印象に残っている。

そう、僕が子供の頃はクイックルワイパーなんて存在していなかったのだ。

そのことを年若き同僚に伝えたところ、大変に驚かれた。
クイックルワイパーの無い時代、掃除機を使わない掃除はどういう風にしていたのですか?」と問われた。
別に雑巾がけを頻繁にしていたわけではない。前述のダスキン・モップを使わない家だって多かっただろう。
少しの時間にさっと掃除する、というのは今より手軽にできなかったことは確かだ。その代わり、主に良妻賢母的な女性はホウキとチリトリを駆使する毎日を求められていた。

きっともうしばらくすると、「ルンバの無かった時代には…」と今の若者が聞かれる時代が来る。ルンバが「全自動掃除機」の代名詞になったら面白いと思う。

 

なるほど僕はもう「前の時代を知る人間」なのだ。

 

 

以前、やはり若者に「携帯電話がない時代には、修学旅行に自由行動は無かったでしょう?」と聞かれたことがある。
きちんと自由行動で京都や奈良を巡りました。
今思うと不安しか無いけれど、でも当時の児童生徒(僕)はしっかりと予定されたルートと多少の計画変更を織り交ぜた自由行動を1日行い、きちんと宿に到着していたのだ。ヤンキーもオタクもみんな定刻には宿に戻る、それが修学旅行。
昭和の後期には、「テレホンカード」というカード型のデヴァイスがあって、街のあちこちで音声通話ネットワークにアクセスできたのだ、と解説しておいた。こういう話をしていると、あまり尊敬はされない。

 

それにしてもクイックルワイパーは便利だ。
価格からするとそろそろ改良も限度ではないか。ハイエンド版が出てきてもおかしくない。サードパーティーというか、柄についてはあちこちから互換品や類似品が登場している。自分も柄を自作したことがある

 

kato.hatenadiary.com


この文章を書いていて気がついた。
クイックル」は花王の家庭用掃除用品のブランドなのだ。同様の「クイックル」を名に掲げる製品がいくつもある。今までどうして気がつかなかったのだろう。脳は本当に何も見ていない。

 

クイックルワイパー フロア用掃除道具 ドライシート 40枚

クイックルワイパー フロア用掃除道具 ドライシート 40枚

 
トイレクイックル トイレ用そうじシート つめかえ用 20枚入

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 ※冒頭の写真はお昼に食べたラーメン。オプションで葱を注文したら大変なことになった。スープに沈めたらあっという間に常識的な嵩になって安心した。

お題「今日の出来事」

出張かばん

数ヶ月前に間に合わせで買ったかばんが壊れた。
UNIQLOの3Weyビジネスバッグ。
4000円程度だった。
価格の割にしっかりしていて、とても頑丈。そして軽い。余計なものがほとんど無い、かなり秀逸なかばんだった。こんな値段でコーデュラナイロンなんて昔では考えられなかった。

自分の場合、かなり重いものも一時的に入れる。
だから力のかかるDリングだけはアルミ製のものに交換していた。
が、やはりリングを固定するナイロンベルトが耐えられなくて、だんだんほつれてきてしまう。

このUNIQLOのかばんは職場での道具入れに活用する。
そして出張用のかばんを新調することにした。

 

Amazon楽天で売っているこれを購入。今日、届いた。

ノースフェイスの、これもやっぱり3Weyバッグ。
価格は1万6千円程度だった。UNIQLOに比べれば高価だが、この種のかばんにしては安いのではないか。

アウトドアブランドということで、なんとなく頑丈そう。
厚手の生地で、たぶん防水性もある。

ここまではいらないなあ、と思えるくらいに緩衝材やネオプレンゴム製のポケットが各所にある。それぞれデジタルツールを収めるためのポケットなのだろうが、自分としてはそんなに活用できない。
数年前は、タブレットや携帯電話やパソコンを全部持ち歩く人も多かっただろう。しかし最近は機器の性能向上もあって、いくつかの道具を兼用する人が増えていると思う。例えばパソコンが小型軽量化すればタブレットは不要になるし、大画面の携帯電話で移動中のパソコン仕事の大半は済ませることもできる。そもそもそれらの道具のための付属機器も減ってきている。

この手厚いクッション・ポケットはいかにも“数年前のデザイン”という感じだ。過渡期ならでは、と言えるかもしれない。

 

とはいうものの、全体としてはとても使いやすそう。
あちこち凝っているわりには軽い。UNIQLOのものと同じくらいだから文句は言えない。
書類を分類して放り込めるポケットはとても大きく、宿泊出張の着替え類を入れるメインコンパートメントもしっかり広い。
荷物を入れないぺたんこの状態で見苦しくならないのは助かる。日帰りの出張でも使えるので。
質感についてはUNIQLOのかばんで十分に満足していたけれど、細かい仕上げを比べると差がわかってしまう。

モニターで見るよりも落ち着いた暗めの色だったことも良かった。
リュック用のストラップもきちんと収納できて、なるほど評判が良いのもうなずける商品である。いや、まだ使っていないのだけれど、たぶん“当たり”の買い物だと思う。

 

 

 

先ほど防水スプレーを吹きかけてきた。
かばんを購入したらとりあえず防水。これはもう、儀式みたいなものだ。仕事のかばんが雨でびしょ濡れになるなんて想定できないが、それでもいちおう防水スプレーはしておく。スプレーした後で防水生地であることに気付くが、別にかまわない。儀式ですから。

 

古代生物図鑑 (ベスト新書)

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ほっとする平穏な月曜日

それなりに忙しかったのになんだかほっとする、そんな不思議な勤務時間だった。

パートさんの一家は朝の3時に起きてテレビを点けたそうだ。みんなで今日がサッカーワールドカップ(日本対ベルギー)だと勘違いしていたのだろう。パートさんはもちろん仕事があるからその間違いに付き合うことなく、きちんと出勤した。

 

 

 

職場にトラブルメーカーがいる。
有り体に言って、社会人としての経験が足りない*1。勤め人としての基本を学ばずに若い頃を過ごし、若者ではなくなった頃にコネで会社勤めをスタートし、諸般の事情であちこち関連会社をたらい回しにされた後に、我々と共に働くことになった、そんな人だ。

悪人ではない。
モチベーションは高い、かもしれない。
しかし能力以前の基礎教養みたいなものがまるで足りないから、全体的に子供っぽい動機や雑な分析で独断専行する。思い込みと感情で奇妙な攻撃性を示すことも多い。
そして僕の「役割期待」としては、この人(会社においては先輩である)の教育も求められている。

 

 

その人が長期の出張に行ってしまった。
監督者としての上司がほとんど不在(僕達はTV会議やSkypeやチャットなどで日々の相談や報告を行っている)なために、彼の独断専行には歯止めが効きづらかった。そして少人数かつ新人の多い職場でもある。
どうしても1人の身勝手が周囲に影響しやすい。実際、彼以外のメンバーの疲弊が看過できない状況になっていた。
だからとりあえずしばらくの間、別会社へ“お仕事”に行ってもらうことになったのだ。
僕としては「教育係としては力不足だったかな」とは思う。半年、よく頑張ったけれど、結局のところ彼は変わらなかった。

しかし彼はいわゆる「無敵の人」である。
ルールよりも自分の都合、を当たり前にしている。
そして、とある“諸般の事情”により、いきなりクビになるようなことは無い。ルールを破っても生活は保証されている。

TVニュースに登場する「無敵の人」は生活破綻者ばかり。というか生活が破綻していて失うものが無いから無敵になれる。
しかし勝手をしても暮らしが成り立つのならば、社会人が無敵生活を止める理由は良心のみである。いや、本人が良かれと思っているのならば、無敵を疑う理由も無くなる。
「超・無敵な人」である。

 

そんな人がその長期出張に行き、不在となった。
もちろん数多くのトラブルの種や申請書類の不具合を残して行ったのでその対処は仕事としてやるのだけれど(遅刻の報告書に「遅刻理由:夜更かしのため」と書いてある…)、それでもまあ、平和である。

教養がまるで足りない、ということは学ぶことの価値を見出せない。それでもモチベーションは高いから、ものすごく間違った認識で他人に強く当たる。きちんと聞けば、継ぎ接ぎの言葉による「実は愚痴」「感情的なたわごと」なのだけれど、それでも直接に言葉を浴びるのは嫌なものだ。
僕はもう鈍感なおっさんだから言いたいことも言える。仕事モードならば「いや、それ違うよ」とか、平気で言ってしまう。
でもやっぱり、「変なことを言う人」が同じ部屋にいないのは精神的に楽だ。他の同僚達もほっとしていた。

だから今日は平穏。
ただ忙しいだけならば、そんなに心は疲れない。彼が帰ってきた時に向けて、今は雑事を片付けなければ。

 

 

池上彰のこれが「世界のルール」だ!

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*1:フリーターも社会人だが、人によってはいくら転職を繰り返しても限定された責任感や経験しか身につけられない。その上で世慣れていく。非正規雇用の悪い点だと思っている。

メロン・タルト

行く先々で当てが外れて、消極的な選択としての「キャトルエピス」清水店へと立ち寄ることに。

この店、ケーキは間違いなく美味しい(見た目も素晴らしい)うえに店内も素敵なのだが、どうにも飲み物が好みに合わない。
いや、コーヒーはケーキに合う味で、他の飲み物も凝っているのだけれど、あと少し頑張って欲しいといつも思ってしまうのだ。特に温かいコーヒーは値段の割になんとなく普通過ぎる。たぶん食べ物が優れているせいで、合格基準を上げすぎているのだろう。

消極的な、とは書いたものの、チャンスがあれば寄りたいお店でもある。家からはやや遠い。ただし今日は別の目的地があったので“仕方なく”なのだ。

そして食べたのはメロンのタルト。飲んだのはコーヒー。
メロンは贈答品に使えそうな甘さと香りがした。豪奢、と言って良いだろう。高級なタルトといえば(静岡では特に)まず「キルフェボン」が挙がるが、少なくともメロンのタルトならば、見た目以外はキャトルエピスの勝ちだと思う*1

 

というわけで、いちいち文句っぽいことを書きながらも、実際はキャトルエピスにはとても満足している。

 

しずおか すてきな旅CAFE 海カフェ&森カフェ

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休日にやりたかった事は6割ほどしか進んでいない。今日は映画の日(毎月1日)かつ休日だったのに映画にも行けなかった。
ただ、色々な懸案に道筋がついた。色んなことが「何とかなりそう」になった。
だからきっと良い日曜日。では、さっさと寝ます。

 

 

*1:※個人の感想です。

トマトと塩豚とバジル

いきなり、というわけではないが夏になってしまった。
セミが鳴いていて、雲がなんだかダイナミックなかたちをしていて、街を気楽に歩けなくなる気温と湿度で、自転車も楽しんで乗るのが難しくなる。それが夏。

朝にはこんな風に考えていた。
「最近、平日が忙しいからといって休日は“のんびり・甘やかしモード”にしていた。でもそれでも疲弊する。休みの間だからこそできることをてきぱきこなせば平日のストレスも減るだろう。つまり、休日こそ“やることやってすっきりモード”を選択する必要があるのだ」

実際、午前中はそれなりにてきぱきと雑事を片付けていた。
夏服も出した。
家族に頼まれていたパソコンの不具合対応も終わらせた。

でも、午後にはいつもどおり、自分を甘やかすために全力でのんびりしていた。美味しいものを食べて、映画を観て、読書をして。

結果として部屋が中途半端に散らかっている。
いかにも「明日がんばれば片付く」程度の乱雑具合だ。つまり、明日は、明日こそは「やることやってすっきり」させる必要がある。

 

衣・食・住 暮らしの雑貨帖 ~ずっと愛したい、わたしのお気に入り~

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それはそうと、お昼に食べたパスタが美味しかった。
バジルがたっぷり。
塩豚とトマトのパスタ。こういう料理こそ、外食で味の違いが明確になる。
自分で作っても、100点満点で94点くらいの味にはできるかもしれない。失敗して60点くらいになる時もあれば、運が良ければ100点も取れる。
でもプロにかかると、少なくともALLEE RESTAURANTで同じ料理を作ると、100点に特別評価60点を加えて160点になる。しかも毎回。
当たり前といえばその通りでしかないけれど、大したものだと感心してしまう。

どういうわけか自分の場合はイタリアンでこの「感心」を実感する。特にパスタ。中華料理は「家で作るものとお店のものはまるで別物」の感覚が強くて美味しくても感心はしない。
ケーキに関しては完全に別次元。彼我の比較はしない。

ケーキといえばパスタ・ランチの後に注文したガトーショコラがとても美味しい。チョコレートが冬のものって誰が決めたのか。

 

というわけでお昼ごはんが美味しかったので、今日は良い土曜日。
なぜか頭痛がする。低気圧で頭が痛くなるらしい。昔はそういう事は無かった、そして周囲にはわりとたくさん居たので、なんだか不思議な感じがする。

 

歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ

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地元パン手帖

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夜中の駅前、一万円札を崩す方法とは。 ──使い途の無い切符についての記録──

新幹線を使った出張では、駅の近くにある駐車場に車を置くことがほとんど。「直帰」の場合に使うのは小さなJRの駅で、帰宅する時刻(終電ではないもののわりと遅くなる)には周囲には飲み屋くらいしか開いているお店が無くなる。個人の旅行の時も、駅の近くにある有料駐車場を使う。

先ほどそんな状況で、駐車料金が払えなくなってしまった。
ゲート式の駐車場、一定以上の使用は一律料金。とても安い。千円以下だ。
この出口の支払機が、硬貨と千円札しか受け付けない。
僕の財布には一万円札と5千円札、そして駐車料金にわずかに足りない小銭のみ。

駅のロータリーにも駐車場の横にも、ジュースの自動販売機はある。
しかし自動販売機も受け付ける紙幣は千円札のみ。

わりと本気で困ってしまった。
以前はコンビニエンスストアがあったけれど今はソフトバンクのお店になっている。歩けばコンビニにも辿り着くだろうが、小雨でしかも疲れていて、できれば歩きたくない。
お酒の飲めるお店はあるけれど僕は酒が苦手で、もちろんそういうお店も苦手だ。地元の垢抜けない若者が集うハワイアン・バーに入り、ソフトドリンク(600円)を飲む?冗談じゃない。

 

ロータリーをうろうろしていると客待ちのタクシーが反応する。客でもないのに、なんだか悪い気がする。このタクシーの運転手にお願いすれば両替をしてくれるのだろうか。それはしかし身勝手過ぎるし、格好悪い。

 とにかくそんな感じで、途方に暮れていた。

 

とりあえず駅に戻ろう、と考える。
駅は屋根もあるし、高い位置にあるから近くにあるお店(1万円札を崩せるお店)が見つかるかもしれない。もしかしたら駅員さんが両替をしてくれるだろうか。今の時刻は誰もいないかもしれないけれど、とにかく駅前ロータリーでぼんやりしていても仕方がない。

疲れた脚を動かして階段を登っている時に、解決策を思いついた。

 

切符の券売機でいちばん安い切符を買えばいい。

 

そして実際、券売機は1万円札を受け付けた。
入場券を小児料金、70円。お釣りは9930円。

かくして不自然な時刻に不自然な切符の売り上げが発生した。
JR職員の誰かが、この不自然な記録を気づき、いつの間にか怪談へと変化したら素敵だと思う。夜中に入場券を買う子供の霊。

ともあれこうして、無事に駐車料金を小銭で支払うことができた。
さきほど帰宅した。
無駄にした時間は10分未満5分以上といったところか。

 

 

ずいぶん昔に、やはり夜のコインパーキングで同様の状況に陥った。あの時も駅前で、小さいながらもショッピングモール的なビルがある街だったが、でもお店が閉まった時刻に高額紙幣を使う場所が見つからなかった。少し歩いてコンビニに行った記憶がある。あの時はGoogleAmazonのポイントカードを買ったのだったか。飲みたくもないジュースなどを買うのも癪だったので。

 

 

 

これからの人生で、また同様の事態に遭遇するかもしれない。
でも大丈夫。
コインパーキングで小銭が無い場合、駅が近ければ入場券を小児料金で買う。これで解決*1
70円の出費は純粋な損失だけれど、時間と無駄な買い物を防ぐのならば許容範囲だと思う。

いま日記を書いているキーボードの前に、この70円の切符がある。
不注意の戒めとして、この使い途のない紙片は捨てずにしばらく置いたままにしておく。

 

 

 

*1:田舎なので駅の遠くには有料駐車場は存在しない。

静岡市葵区のピーチメルバ #孤独のグルメ #孤独の甘党紳士 #ピーチメルバ

※「孤独のグルメ」風に書いてみます。

 

「2日連続の会議はさすがに疲れる。なんだか甘いものを入れたい気分になっちゃったぞ」

「しかしこの鷹匠という街、なんだか不思議だ。どうして住宅と雑居ビルが混在してるんだ」「雑多な店があちこちにあるけれどよくわからない個人店が多い、小綺麗なんだが店内が想像しづらいぞ」「静岡っぽくない、でも東京とも違う」

 

「甘いものといってもケーキの気分じゃあないんだ」「俺は何を食べたいんだ?」
「黒糖ぜんざい?気温32℃湿度90%でぜんざい。違うだろう」「ケーキでもいいんだけどなあ。もう少し心にぴったりのものがありそうなんだよな」「かき氷は真夏に取っておこう」「しかしこうやって歩いてもなあ、とりあえず駅に向かうか」

 

「ああそうだ、あの店のピーチメルバがそろそろだったか。駄目元で行ってみよう」

 

──笠井珈琲店 店内 ほどほどに混んでいる──

 

「ふう、どうやら駄目元のピーチメルバ、まだあるみたいだ、コーヒーセットが基本か。良いじゃないかピーチとコーヒーなんて気が利いてる、大歓迎」

 

「ピーチメルバ、ください」
店主「はい。二分の一アイスコーヒーは?」
「あっ、ああ今日はコーヒーだけ。ミルク無しのほうで」

「なんかなあ、覚えられちゃったなあ。お店の人に顔を覚えられるのは、どうにも気恥ずかしい」

 

(しばし回想)

※省略

(回想終わり)

 

店主「これ飲んでみてください」
「ありがとうございます。なんでしょうこれ?」
──グラスに透明な液体。とろりとして冷たい──

「白ワインでね、桃を煮たシロップです。本当はシャーベットにするんだけどね」

「いただきます…うっ甘い」
(でも何だろう?桃缶のシロップを磨き上げたような味だ。濃い、濃すぎる甘さと香り。でも止まらないぞ)
「美味しかったです、ありがとうございます」

 

 

 

 

──ブレンドコーヒーと、ピーチメルバが到着。スプーンが大きい──

「来ましたよピーチメルバさん。ではいただきます…」

 

──美しい陶器の器に自家製バニラアイスと桃のコンポートが半個ぶん。桃のソースがかかっている。たっぷりした量──

 

「うーん美味しい。桃そのまんまより美味しいんじゃないかこれ」
「果物より美味しくするって、スイーツは人類の英知だよな本当に」


「スプーンが止まらん。しかしコーヒーはいつのタイミングで飲めばいいのか困る」
「口の中が冷たくなってきた、よおしコーヒー・タイムだ」
「桃とアイスとコーヒー、大人の三角食べだなこりゃ」

 

「ふう、腹いっぱいだ。冷たいスイーツはつい急いで食べてしまう…」

──店主、コーヒーを注ぎ足す──

「あっ、ありがとうございます」
「ありがたい。お腹はたぷたぷだけれど、冷たい舌に新しいコーヒーが嬉しい」
「しかし注文を受けてから豆を挽くのに、いつもこうやってオマケのコーヒーが注がれる。どういう計算なのか?」

 

 

──支払い──

「ごちそうさまでした。ピーチメルバ、いつ頃まで食べられますか?」
「今年は桃が少なくてねえ。一応16日までは、って言ってるんだけどね」
「なるほど。美味しかったです。ありがとうございます」

──店を出る──

「ふう。小雨が降ってきたがなんだか悪くない気分だ、でも腹は満タンだ」
「ピーチメルバ、あと何回食べられるかなあ、今年も、来年も」

 

おわり

 

 

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