夜中の駅前、一万円札を崩す方法とは。 ──使い途の無い切符についての記録──

新幹線を使った出張では、駅の近くにある駐車場に車を置くことがほとんど。「直帰」の場合に使うのは小さなJRの駅で、帰宅する時刻(終電ではないもののわりと遅くなる)には周囲には飲み屋くらいしか開いているお店が無くなる。個人の旅行の時も、駅の近くにある有料駐車場を使う。

先ほどそんな状況で、駐車料金が払えなくなってしまった。
ゲート式の駐車場、一定以上の使用は一律料金。とても安い。千円以下だ。
この出口の支払機が、硬貨と千円札しか受け付けない。
僕の財布には一万円札と5千円札、そして駐車料金にわずかに足りない小銭のみ。

駅のロータリーにも駐車場の横にも、ジュースの自動販売機はある。
しかし自動販売機も受け付ける紙幣は千円札のみ。

わりと本気で困ってしまった。
以前はコンビニエンスストアがあったけれど今はソフトバンクのお店になっている。歩けばコンビニにも辿り着くだろうが、小雨でしかも疲れていて、できれば歩きたくない。
お酒の飲めるお店はあるけれど僕は酒が苦手で、もちろんそういうお店も苦手だ。地元の垢抜けない若者が集うハワイアン・バーに入り、ソフトドリンク(600円)を飲む?冗談じゃない。

 

ロータリーをうろうろしていると客待ちのタクシーが反応する。客でもないのに、なんだか悪い気がする。このタクシーの運転手にお願いすれば両替をしてくれるのだろうか。それはしかし身勝手過ぎるし、格好悪い。

 とにかくそんな感じで、途方に暮れていた。

 

とりあえず駅に戻ろう、と考える。
駅は屋根もあるし、高い位置にあるから近くにあるお店(1万円札を崩せるお店)が見つかるかもしれない。もしかしたら駅員さんが両替をしてくれるだろうか。今の時刻は誰もいないかもしれないけれど、とにかく駅前ロータリーでぼんやりしていても仕方がない。

疲れた脚を動かして階段を登っている時に、解決策を思いついた。

 

切符の券売機でいちばん安い切符を買えばいい。

 

そして実際、券売機は1万円札を受け付けた。
入場券を小児料金、70円。お釣りは9930円。

かくして不自然な時刻に不自然な切符の売り上げが発生した。
JR職員の誰かが、この不自然な記録を気づき、いつの間にか怪談へと変化したら素敵だと思う。夜中に入場券を買う子供の霊。

ともあれこうして、無事に駐車料金を小銭で支払うことができた。
さきほど帰宅した。
無駄にした時間は10分未満5分以上といったところか。

 

 

ずいぶん昔に、やはり夜のコインパーキングで同様の状況に陥った。あの時も駅前で、小さいながらもショッピングモール的なビルがある街だったが、でもお店が閉まった時刻に高額紙幣を使う場所が見つからなかった。少し歩いてコンビニに行った記憶がある。あの時はGoogleAmazonのポイントカードを買ったのだったか。飲みたくもないジュースなどを買うのも癪だったので。

 

 

 

これからの人生で、また同様の事態に遭遇するかもしれない。
でも大丈夫。
コインパーキングで小銭が無い場合、駅が近ければ入場券を小児料金で買う。これで解決*1
70円の出費は純粋な損失だけれど、時間と無駄な買い物を防ぐのならば許容範囲だと思う。

いま日記を書いているキーボードの前に、この70円の切符がある。
不注意の戒めとして、この使い途のない紙片は捨てずにしばらく置いたままにしておく。

 

 

 

*1:田舎なので駅の遠くには有料駐車場は存在しない。

静岡市葵区のピーチメルバ #孤独のグルメ #孤独の甘党紳士 #ピーチメルバ

※「孤独のグルメ」風に書いてみます。

 

「2日連続の会議はさすがに疲れる。なんだか甘いものを入れたい気分になっちゃったぞ」

「しかしこの鷹匠という街、なんだか不思議だ。どうして住宅と雑居ビルが混在してるんだ」「雑多な店があちこちにあるけれどよくわからない個人店が多い、小綺麗なんだが店内が想像しづらいぞ」「静岡っぽくない、でも東京とも違う」

 

「甘いものといってもケーキの気分じゃあないんだ」「俺は何を食べたいんだ?」
「黒糖ぜんざい?気温32℃湿度90%でぜんざい。違うだろう」「ケーキでもいいんだけどなあ。もう少し心にぴったりのものがありそうなんだよな」「かき氷は真夏に取っておこう」「しかしこうやって歩いてもなあ、とりあえず駅に向かうか」

 

「ああそうだ、あの店のピーチメルバがそろそろだったか。駄目元で行ってみよう」

 

──笠井珈琲店 店内 ほどほどに混んでいる──

 

「ふう、どうやら駄目元のピーチメルバ、まだあるみたいだ、コーヒーセットが基本か。良いじゃないかピーチとコーヒーなんて気が利いてる、大歓迎」

 

「ピーチメルバ、ください」
店主「はい。二分の一アイスコーヒーは?」
「あっ、ああ今日はコーヒーだけ。ミルク無しのほうで」

「なんかなあ、覚えられちゃったなあ。お店の人に顔を覚えられるのは、どうにも気恥ずかしい」

 

(しばし回想)

※省略

(回想終わり)

 

店主「これ飲んでみてください」
「ありがとうございます。なんでしょうこれ?」
──グラスに透明な液体。とろりとして冷たい──

「白ワインでね、桃を煮たシロップです。本当はシャーベットにするんだけどね」

「いただきます…うっ甘い」
(でも何だろう?桃缶のシロップを磨き上げたような味だ。濃い、濃すぎる甘さと香り。でも止まらないぞ)
「美味しかったです、ありがとうございます」

 

 

 

 

──ブレンドコーヒーと、ピーチメルバが到着。スプーンが大きい──

「来ましたよピーチメルバさん。ではいただきます…」

 

──美しい陶器の器に自家製バニラアイスと桃のコンポートが半個ぶん。桃のソースがかかっている。たっぷりした量──

 

「うーん美味しい。桃そのまんまより美味しいんじゃないかこれ」
「果物より美味しくするって、スイーツは人類の英知だよな本当に」


「スプーンが止まらん。しかしコーヒーはいつのタイミングで飲めばいいのか困る」
「口の中が冷たくなってきた、よおしコーヒー・タイムだ」
「桃とアイスとコーヒー、大人の三角食べだなこりゃ」

 

「ふう、腹いっぱいだ。冷たいスイーツはつい急いで食べてしまう…」

──店主、コーヒーを注ぎ足す──

「あっ、ありがとうございます」
「ありがたい。お腹はたぷたぷだけれど、冷たい舌に新しいコーヒーが嬉しい」
「しかし注文を受けてから豆を挽くのに、いつもこうやってオマケのコーヒーが注がれる。どういう計算なのか?」

 

 

──支払い──

「ごちそうさまでした。ピーチメルバ、いつ頃まで食べられますか?」
「今年は桃が少なくてねえ。一応16日までは、って言ってるんだけどね」
「なるほど。美味しかったです。ありがとうございます」

──店を出る──

「ふう。小雨が降ってきたがなんだか悪くない気分だ、でも腹は満タンだ」
「ピーチメルバ、あと何回食べられるかなあ、今年も、来年も」

 

おわり

 

 

孤独のグルメ 2 (SPA!コミックス)

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孤独のグルメ 【新装版】

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品川駅にて

いま出張と会食を終えて帰宅の途につくところ。

品川駅はキラキラしている。

 

朝は何も食べず東京に到着し、インドの豆カレーを挟んだピタパンみたいなものを食べた。ちょっと珍しいものが朝から売られているあたり、都会だなあと思う。静岡ではこうはいかない。

 

今日は大仕事(精神的大仕事)を済ませたので、珍しく夜なのに甘い飲み物を買った。スターバックスの、甘くて冷たくてクリームが乗っていてカプチーノがベースの何か。名前は忘れた。カフェイン抜き。

 

そして今からその甘くて冷たくてクリームが乗っているカプチーノがベースの何か(名前は失念)を持って新幹線に乗る。寝過ごしたら名古屋に運ばれてしまう点には注意したい。

出張支度と鯛飯への期待

そろそろ東京への出張も慣れてきたので、思い切って荷物を減らすことにした。
例えばパソコンは持参するがマウスは置いていく。
いつもKindleを持ち歩いているけれど、今回は薄い文庫本(昔の小説は薄い!)にしてみた。

 

キッチン

キッチン

 

 

キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

 
キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)

 
キッチン (福武文庫)

キッチン (福武文庫)

 

 


ハンカチも機能一辺倒の薄いもの。とはいえこれは吸水に優れ、かつ乾きやすいので旅には重宝している。さっと拭いて、洗って絞ってしばらくすれば乾く。もう少し色が落ち着いていると良いのだけれど。それとモンベルのロゴも控えめだと嬉しい。

 一般的な吸水速乾タオルとは質感が違う。普通、この手の品といえばスポンジやセーム革を極細の繊維で再現したような素材が多いが、このマイクロタオルはメガネ拭きに近い。畳むとリップクリームより小さくなる。でも、きちんと吸水するし、普通のハンカチと同様にポケットに入れて大丈夫。色柄だけ気にしなければおすすめです。500円と少し、という安さも魅力。
2枚買っておけば数日の旅行に対応できる。

 フェイスタオルで同様のものもある。

 こちらはもう少し厚手。とはいえ普通のタオルに比べるとびっくりするくらい薄い。通勤カバンに入れておくと雨の日に便利です。

 

話が逸れた。
とにかくもう荷物を極力減らして、東京日帰り出張に趣くことにしたのだ。かばんが軽い。

そういえば、明日は朝ごはんを静岡駅で買うチャンスに恵まれそう。
あまりに早い時刻だとスターバックスも駅弁屋さんも開いていない。遅いとそもそも朝食は家で食べる。
運が良ければ好物の「鯛飯」を買いたい。なぜ静岡で鯛なのか不明だけれどとにかく美味しいのです。

鯛飯の気分じゃない場合は、スターバックス・コーヒー(新幹線の待合室併設)でケッタイな甘い焼き菓子を買う。

 

 

では寝ます。何にせよ朝は早い。
でも、前職で遠くに通勤していた時と起床時刻はそれほど変わらない。前職の上司が「通勤時間は人生を蝕む」と語っていて、最近それをよく思い出す。今の勤め先は色々と大変だけれど、10分未満で出社できるし、駅だってそれほど遠くない。本当に睡眠不足の時は、始業時間の30分前に起きても何とかなってしまう*1。通勤時間50分では、そうはいかない。

*1:食事は野菜ジュースとヨーグルトで済ませ、身支度を最速で行えば間に合う。

麦味噌で豚汁

僕が子供の頃は、「ぶたじる」と呼んでいた。
小学校の学校給食では「ぶたじる」派と「とんじる」派が混在していて、しかし別に論争にもならず、さらに言うとその違いで面白おかしく会話が弾むわけでもなく、とりあえず「豚汁」に2種類の読み方があることが(少なくとも僕とクラスの皆には)当たり前だった。

その「豚汁」を今日は作った。朝から。

家族がサッカーワールドカップを観戦したせいで起床せず、料理を作るのは自分だけ。
朝に「ひと椀で栄養が摂れる料理」として具沢山の豚汁を作ることにしたのだ。自分用の炭水化物は春雨を少量。家族は各自が用意する想定。

 

フンドーキン 九州そだち麦 1kg

フンドーキン 九州そだち麦 1kg

 

 

以前、九州旅行で買って放置していた麦味噌*1を使う。
何度か料理に使ったものの、なんというか「言うほど特徴があるわけじゃないよね」という感想しか湧かず、ほとんど使わずに保管していた。
先日の三重周遊ではこの麦味噌を使った味噌汁を飲む機会があった。Snugの「しみじみごはん」の汁物が麦味噌の味噌汁。これが抜群に美味しくて、しかも麦味噌の風味が活きていて、なるほどこれならば活用できると、今朝ふと思い出したのだった。

どうやら少し個性のある具材のほうが好みの味になる。
豚肉と牛蒡と葱を多めに入れてみたら丁度良い。
出汁もしっかりした味が合う。今日は鯖節を使った。

豚肉は細く切ってしっかりと胡麻油で炒めた。
隠し味に唐辛子。普通の味噌汁よりも全体に濃厚にした。
本当に少しだけ、にんにくのすりおろしも入れた。

 

朝はしっかり食べる家なのだけれど、さすがに豚汁は珍しい。
しかもしっかり外食風に濃い味。味噌が多いわけではないけれど、なぜか外食の味付けになってしまった。

 

全然関係無いけれど、大昔にお付き合いしていたひとの実家では「赤だしの味噌汁に卵焼き」が当たり前だった。その家の誰もが当たり前に食べていて、なにしろお招きされて緊張もしていたから質問もできず、後から聞くことも忘れて、そして今もその小さな不思議を覚えている。
味噌汁の具材と地域・家族の文化について書かれた本は多いが、しかし卵焼きの記述は知らない。
試してみるとわかる。卵焼きは味噌汁と、まるっきり調和しない。普通に美味しいのだけれど、味噌や出汁の味と卵焼きの味が合わさり何かを生じるわけではない。あそこまで非調和な味噌汁も無いのではないか。
今でも、ちょっと変わった味噌味の汁物を作る時に思い出す。いつか街で遭遇したら、近況や思い出話より先に聞いてしまうかもしれない。

 

トマトの味噌汁?食べ物大好きエッセイ? (光文社知恵の森文庫)

トマトの味噌汁?食べ物大好きエッセイ? (光文社知恵の森文庫)

 

 トマトの味噌汁は、宿坊料理の本で知った。
赤だし仕立て、トマトはゆっくり温めて、食べる前に黒胡椒を振る。マーガリン(お坊さんだから植物性)を落としても良い。
試してみたら美味しかった。和歌山県の山奥では普通に食べるとのこと。

 

高野山 一乗院のこころとからだをととのえる精進料理

高野山 一乗院のこころとからだをととのえる精進料理

 

お題「起きて最初にすること」

 

 

*1:自然食品店にあるような味噌より、その土地のスーパーマーケットにある普通の安い味噌のほうが料理には使いやすいと思う。調味料に関しては地元スーパーのプライベートブランドが高水準だったりする。

何をしたっけ?

休日。
ちょっと遠出をしたけれど、遊んだわけでも誰かに会ったわけでもない。何も買わないし、飲んだのはお茶だけ。

というわけで日記に書くことが無い。
親戚のちびっ子達が家に来て、動物将棋を何局かやって、一緒にごはんを食べた。部屋は少し片付いた。革の裁断も少しだけ。

後は何をしていたのだろう。
寝て、読書をして、乾燥しかけた多肉植物を雨の当たるところに移した。そして外出して、帰宅して寝た。

まあ、そんな感じの日曜日だった。

身体は休まった。
海沿いの道を走行中、波の飛沫が虹を作っていた。
書き出してみると大した休日には思えない。たぶんもう少し頑張れたはず。後悔はしていないが反省はしている。

 

 

ああそうだ、NASの設定が概ね完了した。
とても便利な機械。GoogleMicrosoftに頼らずとも、データの管理が一元化できる。出張中も旅行中も家のデータにアクセスできるようになった。便利だ。

では寝ます。明日から数日は忙しい。いわゆる“気忙しい”日々が続く。

https://www.instagram.com/p/BkZfSvihnX-/

 

 

 

ヨーグルトソースとキウイフルーツのかき氷と、煮干しと背脂のラーメンと、雨。

昼前に外出。
疲労が溜まっているのか、雨のなか遠出する気になれない。
そして仕事上の懸案を抱えたまま、その問題解決のためにホームセンターなどを巡る。会社ができて1年、僕が入社して半年、ある程度の無茶やルール違反(業務時間外にちょっとした買い出しを済ませてしまうのは明確な労働法&社内規定違反だ)は覚悟していた。要は労働者としてズルをしていたが、やはり心身に応える部分が大きい。そろそろその無理や無茶を縮小する頃合いだろう。
きちんとやるべき形で進め、それで駄目ならそれまで、そんな風に考えて働こうと最近はよく思う。監督が「なんとしてでも勝て」と言ったからボールを掴んでゴールに向かうようなサッカーは駄目なのだ。前半の30分くらいで息切れするようなサッカーも、サッカーとはいえない。

 

それはともかくお昼はラーメン。
昨日もラーメンだった気がするが、まあそういう気分の時もあるさ。
焼津市の「LEO」に行ってきた。

あまりラーメン店、特に店主のこだわりが売りのお店*1は好きではない。自分はああいうジャーゴンとリスペクトに酔う世界は願い下げなのだ。それにどの店のラーメンも食べれば美味しい。ただどうしても「濃くて味が強くて美味しい」「しょっぱいものが好きな人にはたまらないだろうな」というある種冷めた感想しかラーメンでは語ることができない。だから僕は、レジャーとしてのラーメン店巡りができない。体質みたいなものだと思っている。
どこに行ってもそれなりに美味しく思えて、その差がわからなくて、そしてその界隈の雰囲気が苦手ならば、せっかくあちこちにお店があっても趣味として楽しめない。

 

でもこのLEOの、煮干し出汁のラーメンは特徴があって好きだ。
たまに「ラーメンが食べたいな」と思った時、そして「特徴がある味がいいな」と思った時の第一選択となる。

煮干しの苦みがしっかり感じられる。
和食なら失格かもしれない。でもラーメンのスープとしては個性的でくせになる。口に残る苦みは、魚介の珍味が好きな人にはたまらないだろう。
ラーメンのスープというのは独特で、つけ汁であり、なおかつ飲むことができて、でも単品で飲むとたぶん濃すぎるし塩気も強い。
いつも「このスープを持ち帰りできたら、何か煮込み料理などに使えるのではないか」と思ってしまう。自分では作れないではないこともその理由。そんなことはしないけれど、思考実験的な遊びをしてしまう。
そしてこのLEOの煮干しスープは何に合うのか。
ここまで苦味があると、やはり酒の肴か。干した貝などを煮ると面白いかもしれない。後は海藻か、キュウリをさっと煮ても良さそう。いずれにしろたくさん食べるものではない。

今日は豚の背脂を加えた品を選んだ。
うん美味しい。苦くてこってりして、たまに食べる強い味のものとして、自分の選択を褒めてあげたくなる。「がっつりです!濃厚です!ジャンクです!ウェーイ!」みたいなノリではないところもこの店が好きな理由。
人気店で、たいてい少し待たされる。しかし「待つのがアホみたい」な行列や長時間待機には遭遇したことがない。これもこの店の良いところだと思っている。

 

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BkXehwzhDEb/

せっかく焼津市に来たのだからと、おやつは「あおば」のかき氷を。
雨はざあざあ強く、訪れるお客さんは名物の鯛焼きを求める人がほとんどで(でも秋までは販売しないのです)今日は空いていた。
今年の新作だと思う、ヨーグルトソースとキウイフルーツのかき氷を食べてみた。

ヨーグルトソースの存在感は控えめ、キウイフルーツの酸味と甘みがそのヨーグルト味に混ざって面白い味。練乳系とは違う美味しさ。
同じくヨーグルトソースとマンゴーもあって、そちらも美味しそうだった。

 

今日は気温が23℃程度。これくらいの温度だと、かき氷が溶けるスピードを気にせず楽しめる。個人的には真夏に涼をとるために食べるより、こうして落ち着いて食べるかき氷のほうが好きだ。
涼むのならエアコンの効いた部屋でアイスコーヒーでも飲めばいい。

たぶん僕は、スイーツとしてかき氷を食べている。

 

 

 

午後には盛大な昼寝をして、先ほどまでは溜まっていた読書やネットサーフィン(古語)をしていた。
今からまた読書をして、寝ます。部屋は荒れているが、それは明日の課題。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:マニアが“遠征”して、感想をネットに書き込むようなお店

工場見学で質問すべきこと

信越地方に日帰り出張。
そんなにかしこまらない、普段着での工場訪問。

 

元々、工場に勤めていた期間が長いから、どんな工場でも楽しめてしまう。
おべっか、というわけではないけれど「何か質問は?」と工場見学の後に聞かれた時には相手を褒めつつきちんと質問ができると良い。
そして、かつて「徹底的に品質管理に厳しい工場」と「安全管理には教科書以上に取り組む工場」で働いていた経験が活きてくる。傲慢に聞こえるかもしれないが、雑な工場で働いていては見えないものが僕にはわかる。色々あったけれど、真面目に働いていて良かったとしみじみ思う。

 

ところで、工場見学には、質疑応答の時間が必ずある。
「製造現場」を見せてもらった後にホールなり会議室なりに移り、そこで「これで工場見学は終わりです。おつかれさまでした。何かご質問はありますか?」と案内役の人が問う。
問われても何も聞くことがない、でも何か問わなければならない、そんな時はとりあえず整理整頓について話すのが無難かつ最良だと思っている。
「素人意見ですが、失礼ながら○○工場というのはもっと乱雑なものだと思っていました。今回見学していちばん驚いたのが、とても整理整頓が行き届いていることです」と言えばいい。
たいてい、お客さんを通す製造ラインは片付いているものだ。というか、工場は片付いていないと仕事にならない。ものを作る時には、何かしらの片付けは必須なのだ。
その後にこう訪ねる。
「何か特別な活動などをしているのでしょうか?」
相手を褒めつつ質問もできる。
整理整頓を奨励しない工場なんて無い。そして、工場を案内する人間は、その整理整頓を推進する側にいる。リーダーや管理職ならば、何かしら即答できる。

たいして興味が無い技術的なことをひねり出して質問するのは、とても難しい。
例えば、見学中に気になった機械があったとしても、的外れな質問ならば、相手だって困ってしまう。これはある種、ビジネスマナーの問題なのだ。


先に推奨した「整理整頓されていることへの言及と、その取り組みへの質問」の最も優れている点は、最後に「なるほど勉強になります」と、あたかも自らの糧になったかのような締め括りができることだ。これが「工場見学の途中で見かけた変な機械についての質問」だと、せいぜい「…ご理解いただけましたか?」「はあ解りました」程度で終わってしまう。

同様に「安全」について問うのも良いと思う。
「進入禁止の柵があちこちにありました」とか「沢山の刃物があって、みなさん丁寧に扱っているのが印象的でした」みたいな“発見”を語りつつ、「これだけ大きな機械が動いていると、安全を確保するのも工夫が必要かと思います。皆さんで何か取り組んでいることはありますか?」みたいなざっくりした質問をすると、特に工場長レベルの人は回答しやすい。
阿呆な人は「ルール違反をする人はいますか」とか聞いてしまう。

それ以外には「環境」ネタも便利だけれど、これはやや高度かもしれない。工場というのは原理的に地球環境を汚す側なので。
そのうえで精一杯、それこそ一般家庭の何倍も環境対策を行っているものなのだが、それでも限界はある。
その限界を、素人は無意識に突いてしまう。工場側は「そこは今後の課題なのですが……」と言葉を濁さざるを得ない。

 

大人になってからの工場見学となると、取引先、業務上の関係が深い相手が多いと思う。だからといって、この質疑応答の時間に、あまり具体的な追求や提案はしないほうがいいと僕は思う。それは別の会議の場ですればいい。現場の人だって困ってしまう。

 

ねこの風つくり工場 工場見学のお客さま

ねこの風つくり工場 工場見学のお客さま

 

 

なんでこんなことを書いたのか。
今日は工場見学の後で、案内してくれた人達から「取引先を案内することは多いが、こんなにもきちんとした質問をしてくださったのは初めてかもしれない」と褒められたから。

工場見学の後、お昼ごはんを一緒に食べて、夕方まで簡単な作業を一緒にして、雑談もする間柄になってから、そんな話になった。「実は以前は某社の製造部門にいまして、工場見学では案内する役も多くて…」なんて種明かしをしたら「本当は興味が無い人達や基礎知識が無い人達に『何か質問がありますか』なんて聞く必要無いんですよねハハハ」と盛り上がってしまった*1

彼らが言うには、空虚かつ誰も幸せにならない質問をするのは決まって「若くてやる気に溢れる営業職」とのこと。年配の人は教養があるから他分野他業種でも配慮できる。
営業職で教養が無いと、相手を喜ばそうとして盛大にスベる。
思い返してみれば自分でも思い当たる節がある。
なぜだろう、普段は相手を尊重し何かしらの(利益に繋がる)着地点を目指す、もっと言うとそれを仕事とする人達なのに、工場見学後の質疑応答タイムでは失敗する。

 

僕の経験から言うと「お医者さんの団体」は色々と酷かった。あれほど「見学にあたっての注意点」を守れない集団はいない。それでいて穏やかというか、きちんと紳士的な空気を漂わせている。でも、機械の隙間に(持ち込み禁止の)ボールペンを突っ込もうとするし、気になるボタンを押してしまう。クリーンルームでマスクを取ろうとした人さえいた。たぶん医学部では衛生管理について学ばないのだろう。
酷さでいえば「教職員組合」が次点。詳細は割愛。
つまりセンセイは工場見学に向いていない、と勝手に結論付けている。これはつまり偏見である。政治家は案内したことがない*2

 

大接近! 工場見学 (3) ガンプラの工場〈プラモデル〉

大接近! 工場見学 (3) ガンプラの工場〈プラモデル〉

 

 

もう今の僕は、工場見学を案内する側ではない。
転職して、見学させてもらう側になった。
今日はなんとなく昔のことを思い出しながら、「過去の経験があるからこそ存分に楽しめているのだろうなあ」なんて考えて、その整理整頓された工場を見学させてもらった。

https://www.instagram.com/p/BkUxULFhmHa/

 

楽しい出張でした。
ここまで色々と書いたが、自分のした「質問」は書かない。守秘義務&本人特定回避が理由。
ところで合流した取引先の人が分けてくれた(工場側への)お土産が、大学生の頃によく買っていたお店の饅頭だった。思いがけず懐かしい品に出会えた。そのお店のある隣町に住んでいる、とのこと。日本は狭く、世間はさらに狭い。

 

映像研には手を出すな! 3 (ビッグコミックス)

映像研には手を出すな! 3 (ビッグコミックス)

 

 

 

 

 

*1:いわゆる「ぶっちゃけすぎ」な人ではあった。でも楽しい人でした。

*2:他県からの視察ツアーで訪れ「見学用の服に着替えたくない」と社員食堂で時間を潰していた市会議員さん達は、問題外だと思う。

夏至と味噌餡

夏至
それほど実感は無いけれど、地球が天体であることを考える日、だと思う。ただの知識である、地球が太陽の惑星で傾きながら楕円軌道を巡ること、それをわざわざ考える日だ。

といっても別に昨日の「昼間の時間」なんて覚えていない。たぶん明後日に「夏至ですよ」と言われたら納得する。

 

さてそんな夏至に食べたもの。
やや季節外れの柏餅。

柏餅は味噌餡に限る。たぶん毎年書いている。
これは完全につまらない理由で、他の餅菓子では味噌餡になかなか出会えないから、それだけだ。
京都にでも住んでいれば和菓子のバリエーションも多いだろう。しかし静岡県の中途半端な田舎にはそういうものは基本的に存在しない。
近畿圏で貴族や神主や坊主が文化を花開かせていた時、僕の住むこの土地は沼と山ばかりだった。戦国時代には通路みたいに扱われ、江戸時代になってようやく東海道として宿場町文化が発達したものの、どうにも“わかりやすい文化的な厚み”が足りない感は否めない。きちんと調べると面白い土地なのだが、お菓子に関しては本当に“薄い”と思う。

まあいいや、とにかく味噌餡の柏餅を食べたから、今日は良い日。
ところで柏餅って昔に比べて小さくなった気がしませんか?柏の葉が小型化しているわけではないと思うから、単に気のせいだと思うのだけれど、それにしても子供時代の印象と違う。小さな葉を使って、やや小さめの餅菓子に仕立てている可能性を疑っている。日本経済が本当に復活した時、柏餅もあの懐かしい昭和サイズに戻るはず、そう信じている。

 

 

国産米使用 上新粉200g×3袋

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