今年の年賀状 #メリーゴーランド

今年の年賀状はこんな感じ。

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投函自体は年末に済ませ、返信も三が日には終わっていた。どういうわけか一昨日にまとめて何枚か届いて、でもその分については返事が不要な相手ばかり。

 

うっかり住所を間違えて印刷して、宛先不明で戻ってきてしまった青木君ごめんなさい。今日、書き直しました。
宛名面も少し凝ったことをやりたくて、いわゆる宛名書きソフトではなくて、Adobeillustratorを駆使しているのだけれど(住所データベースからテキストボックスに“流し込む”スクリプトを活用)、不要な文字が入り込んでしまった。

 

年賀状の絵柄自体は、年末に出した分は、もう少しだけ調整した。これは紙の風合いなどに合わせるための工夫。もっというと、出す相手ごとに、少し変えたりもしている。「手書きよりも手間をかける」のが、僕の年賀状の基本方針。で、色々とテクスチャや滲み具合を変えたバージョンは、保存し忘れた。

メリーゴーランドと鶏という組み合わせ自体はずいぶん早く決めたが、これがなかなか難しかった。メリーゴーランドは立体的だが、鶏を数羽だけだと上手く配置できない。反対側に回る鶏は思い切って省略した。
それに、つくりものの動物というのは、何かしら怖さがある。こうして画像を眺めている今でも、グロテスクな印象が消えない。

いくつか試しに作った絵は、ばらばらに解体して、友人知人や依頼された年賀状イラストに使用、残った最後の下書きを弄ってこの絵となった。

 

 

今回は、都会でがんばっている、雑貨・クラフト関係の友人から褒めてもらえたことが嬉しかった。届くべきところに最適な形で届いた、という感じ。
職場の若い人には「絵の年賀状より写真(とディズニーキャラクター)のやつが、昔ながらの年賀状っぽくて好き」と言われてしまった。いやそれは…って思うのだけれど、年寄りの繰り言みたいなので黙っている。世は既に平成なのだ。
それに、この人は角に仕込まれたサインには気付いていない(この画像では消してあります)。出来合いのポストカードだと思ってくれたのなら、それはそれで面白い。でも、宛名面まで雰囲気や色やフォントまで考慮されたポストカードは無いと思うのだけれど。

 

【銀座ウエスト】 ダークフルーツケーキ(16個入)

まるで関係無いけれど、銀座で買った「ダークフルーツケーキ」、これ美味しい。普通のお土産用の価格だが、味はそれ以上。日持ちもするし、コーヒーにも紅茶にも合う。ぱくぱく食べるものじゃないんだよ、と自分に認識させ続けるために、お皿とフォークを用意して、丁寧に食べている。もっとたくさん買っておけばよかった。

 

今年最初の抹茶部

正しくは茶道部だが、なんとなく抹茶部と呼んでしまう。
今日は、職場敷地内にある福利厚生棟の奥深くにて活動中の茶道部に参加してきた。しばらく休みがちだったけれど、さすがに年初はきちんと挨拶もしたいし、万難を排して今日は顔を出す。

久しぶりの全員参加。先生も喜んでいた様子。
僕はすっかり手順を忘れて、しかも足がとても痺れてしまって、恥ずかしい限り。とはいえ、やはり茶道は楽しい。
所作も道具も、何かしらの理念から生じているのだな、と思わせる。先生もきちんと「なぜ、そうするのか」を教えてくれる。その茶道ワールドの基本原則すらまだ掴めていないが、日常とはちょっと違う世界観を体験できるのは、やはり良い経験なのだと思う。

わがしごと

今日はお稽古の終わりに、お年賀(とは言わない。正月は過ぎたから)を先生に渡した。茶道部の中では最下層民、初心者のなかの初心者である僕だが、おやつ関係に関してはそれなりに“戦力”となれる、そう自負している。別に先生と勝負する訳ではないけれど、頑張ってしまう。
茶道の先生といえば大抵の菓子は驚かない、だからこそ先生にとっての非日常を贈るには、やはり和菓子でなければならない。
というわけで、「wagashi Asobi」の落雁を選択。先日の東京周遊にて購入した。
カモミールローズヒップローズマリーといったハーブ、抹茶やイチゴ、それに季節のものとしては柚子を落雁にしてある。
もちろん砂糖のお菓子だから甘いはずだが、和三盆とは違う不思議な上品さがあって面白い。特にローズマリーカモミールが僕のお気に入り。

先生に贈る分とは別に、お稽古でもいくつか使ってみた。
先生はとても喜んでくれた様子。「正直、和菓子ばかり続くと、って時があって、でもそれは良くない考え方だから感謝して味わうのだけれど、こういう趣向が違う品は“相手をきちんと見て選んだ”ことがわかって、裏千家的にも素敵である」というような評価を、もっと上品な言い方でしてくださった。すごい、褒めるのも上手だ。さすが先生。
基本はネット通販か東京のお店の品だが、しっかりその購入情報もメモしていたあたり、これまた「さすが先生」である。たぶんそれほど「新世代がつくるどちらかといえばアートっぽい和菓子」には興味が無いだろう。でも情報は押さえておく。引き出しは多いほうが良いのは、どの世界も同じ気がする。

 

ちなみに僕はこの店の羊羹が食べたい。
クルミとドライフルーツのイチゴ、イチジクが入った、黒糖とラム酒の風味がする小豆羊羹。先日は売り切れだった。絶対に美味しい。


わがしごと

わがしごと

 

 

かわいそうなアンコウ

帰宅前にスーパーマーケットに立ち寄る。
家族が出かけていて(登山と温泉)、夕食は自分で作らなければならない。

残業もしたし、できれば簡単に済ませたい。寄ってみたかったお店もあったのだが、残念ながら「正月と3連休特別営業の代替休み」だった。

まあスープでいいや、と店内を歩く。
一汁三菜とか気にしないタイプなのだ。特に平日の夕食は簡単なほうが良い。

鮮魚コーナーでアンコウを発見。半額からさらに値引きされ、大きなパックなのに200円だった。
鍋の具としてはちょっと高めの価格だったし、高級な魚とはいえ日常の食事には採り入れづらいかもしれない。僕も鍋くらいしか思いつかない。だから、連休を過ぎれば、こうして安くなってしまう。

 

とにかく買って、帰宅する。
ポットに残っていたお湯をさっとかけてから、簡単に掃除。その間にお湯を沸かす。
お湯が沸いたら、アンコウ、ネギ、生姜を圧力鍋へ。お湯を注ぎ入れ、適当に加熱していく。
その間に、さらにネギを切る。白ネギを斜めに、庭の青ネギも使う。緑豆春雨は湯にさらす。

圧力鍋を開けたら、綺麗なスープの上に、あまり綺麗とはいえないアクの塊が浮いていた。脂もたくさん。

先ほどのネギを入れる。なんとなく干し椎茸(スライスされたもの)も放り込む。胡椒を少し、塩気はナンプラーでつける。

スープにしてはしょっぱいかな、程度の味にする。
春雨を椀に入れ、スープを注ぎ入れる。最後にまたネギと生姜を載せて完成。

 

骨まで食べられる、とまではいかないけれど、骨離れが良くて食べやすい。圧力鍋のせいか、骨以外の部分は柔らかくなっている。
さすがアンコウ、という出汁が美味しい。普通は煮込まない魚かもしれないけれど、試してみたら良い結果となった。圧力鍋は時間もかかならいし、こういう単品かつ単純な料理にはとても便利。
鍋以外の調理も悪くない。しかし鱈より安いのは、やっぱりなんだか気の毒だ。

 

 

 

かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)

かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)

 

 

 

生チョコレートのケーキで甘養生

一昨日の東京散策では、ちょっと食べ過ぎた。
ケーキ系は3店舗、ごはんはしっかり食べた訳で(丼とか肉とか)、さらに言うと築地市場散策でも練り製品の串などを食べたのだった。

昨日はできるだけ節制しようと思っていた。
しかし親戚や近所の人から贅沢なおすそわけ(肉とか牡蠣とか)が届いたり、「ふるさと納税」で肉が届いたりと、なかなかどうして身体に悪い感じの贅沢が止まらない。野菜もたくさん摂ったが、焼け石に水だろう。

焼け石に水、という慣用句は効果がほぼ無いことを指すと辞書にあるが、しかし焼いている石でなければ、水はその量と水温に応じた効果が必ずある訳で、しかも日常生活で到達できる“焼け石”の温度や、調達し使うことができる水の量を考えると、影響はわりと大きいのではないか。だからなんだ、という話だが、ふと思ったので書いておく。

https://www.instagram.com/p/BPB4iQjhtxW/

 

世間では疲れた胃腸には七草粥だが、ここ静岡県中部では昔から生チョコレートの摂取によって胃を休める(一説では家康公が広めたと言うが、それは眉唾だろう)。県外はもとより西部東部でもあまり知られていないが、これが本当によく効く。
だから今日は、MARIATHANKで「生チョコレートのタルト」を食べた。

この店は生クリームが美味しい。だから、生チョコレートも、そして生チョコレートたっぷりのタルトも、美味しい。冬ならではの味覚として、胃腸云々は別としても、寒い時期に食べておきたい品である。
暖かい部屋で食べるアイス、それもちょっと高級なやつ、に近い喜びがあると思う。

 

 

さて寝よう。
連休、あと2日くらい続いてもかまわないのだけれど。
天皇陛下生前退位し、10人くらいの「朕こそ天皇なり」という人達が現れたら(全国の自称天皇の末裔さんには頑張って欲しい)、天皇誕生日が増えて国民は大喜び。それこそ国民に親しまれる皇室だと思う。僕は全部、支持します。

 

ところで甘養生って何だろう。自分で創作した言葉だが、いまいちしっくりこない。

 

昨日の東京さんぽ

昨日は久しぶりに東京へ行ってきた。
静岡県(中部)だと、ちょっと遠い。新幹線か高速道路が必要なので、ふと思い立って出かける感じではない場所だと、僕は考えている。昔ほど「東京に行かなきゃ」という状況も無くなっているし、イベントや行き先が定まらずにふらりと訪れるには、新幹線で1時間、車なら2時間以上かかる土地は、少しだけ面倒だ。

でも今回は、特にこれと言って目的地もイベントもない“上京”だった。しいて言えば築地市場には行ってみたい、程度。

それから、低コストの日帰り旅行を久しぶりに楽しみたい、というのもテーマといえるかもしれない。

 

具体的には、

が最初にあって、前々日くらいに

  • 写真美術館。
  • いくつかギャラリーを巡る。
  • そうだ築地市場ならば銀座も近い。行ってみよう。
  • バスの発着は渋谷。ならば渋谷を探検しよう。

を追加案件として定めたかたちとなる。
さらに言うと、それじゃあ何か気の利いたものを買ってきてー、と職場の人に頼まれてお菓子屋さんを巡ることにしたり、それでも時間が余るからと吉祥寺を散歩したり(大好きな街なのです)と、なんとなく「ふだん静岡の街で過ごしている事の拡大版」が、今回の東京小旅行だった。つまり、さんぽです。

 

築地市場は、いつも周辺を歩くだけで、きちんと場外市場に入ったことが無かった。なるほどツーリスティック、観光っぽい!と楽しくなる。
田舎の観光市場ほど珍しいものも無いし、海鮮丼は高いし、なにしろ混んでいるしと、ささっと歩いただけで満足してしまった。
「鳥藤」というお店の「鳥丼」は食べた。美味しかった。その後の暴飲暴食に備えてご飯少なめ。うっかり普通の量だったら、ぜんぶ食べてしまったであろう素晴らしい甘辛味の鶏肉各種が乗っていた。

場内のほうも、周囲から少し見物。
築地市場といえば「ターレ」が可愛い。他の市場ではこれほど多く見ない。寸法や機能からすると、長い目で見れば廃れる乗り物のような気がする。極小のトラクター&トレーラーシステムは見た目には魅力的。でもこれを発展させるより、既存のハイテク化されたフォークリフトや電動搬送機あるいは台車を活用する方向に行く気がしてならない。でも本当に可愛い。スターウォーズのドロイド的な良さがある。

 

 

 

 

銀座では「木村屋」のあんパンを購入。これは母のリクエスト。昔は「あんパンのくせに高い」と言っていた気がするけれど、年老いてからは「この小ささと味が良い」と理解し、ついに好物になってしまった。パン屋のパンというより、手土産の和菓子的な立ち位置があると思う。僕も好物です。

銀座といえば「ウエスト」が素晴らしかった。
大昔の「クウネル」に載っていて、印象に残っていたお店。実際に銀座の店舗に行けたのは、今回が初めて。
清潔で静かで、でも緊張を強いられず、店員は常に気配りを絶やさずしかし見張られている感じがまるで無い。広いとはいえないスペースにあれだけ店員がいて歩き回っているのに、全体はのんびりしている。都会の贅沢、って感じがして、うらやましい。
ケーキを注文すると、全部が盛られた足つきの皿(トレイ?)を席まで持ってきてくれるのが最高。ケーキ喫茶の最高峰だと思う。
今回は焼き菓子を1つと紅茶を注文(ドライ・ケーキのセット)。普通のキーマンだが、びっくりするくらいに美味しい。しかもおかわりできる。旅の途中だというのに、つい長居してしまった。
この店は、次も必ず行く。

 

銀座ウエストのひみつ

銀座ウエストのひみつ

 

 

 

写真美術館とその周辺は、長くなるから割愛。気が向いたら書く。良い散歩でした。

 

 

吉祥寺。
秋も良いが、冬もまた素晴らしい井の頭自然文化園と公園。
動物園は寒々しいけれど、居心地の良さは格別。公園の賑わいとセットで楽しむ。

人は多いが、歩くと楽しい街だと思う。公園から「A.K Labo」を目指す散策コースが基本で、寄り道をしながら延々と歩く。疲れたら、あるいは飽きたらバスに乗る。

A.K Laboでは定番のチーズタルトと、初めて見るルバーブのタルトと、中国茶を。小さな焼き菓子をつけてくれた。
何を食べても美味しい店だが、今回の選択は自分を褒めて良いと思う。「おやつ世界選手権」があって、僕が選考委員だったら、とりあえず日本代表チームに推薦する、そんなお店。
駅からは遠いから、日帰り旅行の時間管理的には少し厳しくなるが、それでも(ほぼ)必ず寄ってしまう。
良いお店です。


今回は高速バスということで、帰りの時刻はきちんと守らないと大変なことになる。だから、早めにバス停のある渋谷へ到着。
渋谷の駅ビルみたいなところの4階にバスのロータリーがある。2階とか連絡通路みたいなところに私鉄の改札がある。さすが都会。人も多い。

東京は寒い。静岡県に比べると、“ひとまわり”ほど寒い気がする。
だから厚着をしてきたわけだが、少なくとも渋谷では寒さは気にならない。何しろ駅周辺の商業施設群は暖かいわけで(むしろ暑い)、外の寒さも露天風呂的な心地よさというか、不快な感じがまるでしない。防寒と防暑を両立させた、秋に田舎の低山を歩くような服装が望ましいと考えるのだが、そういう人は皆無だった。

さて早く到着した渋谷、せっかくだからと歩いてみたが、夜の渋谷を一通り歩いてみた感想は、「疲れた」です。
坂が多いこと、適当に歩くと歓楽街に迷い込むこと、慣れた人とそうでない人が混在して群衆になっていること、がその理由か。
でも本当に久しぶりの渋谷、歩いてようやく土地勘がアップデートされた。次は大丈夫。

 

朝、出勤より少し早くに家を出て、東京観光は午前中から、そしてちょっとハードな残業くらいの時刻に帰りのバスに乗り、日付が変わる前に自宅に到着。10年前に乗った高速バスよりも快適で、うん、これなら今後も使える。
疲労もたいした事なく、今日は普通の休日を過ごせた。なるほどやっぱり散歩だった。

 

おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑

おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑

 

 

 

 

 

朝ごはんスコーン

今から出発、帰りは遅くなるため、日記は今書いてしまう。
といっても、昨日から今日にかけて、睡眠くらいしかしていない。だから、ほぼ書くことが無い。

朝ごはんは、家族が起床する前に適当に済ませた。火を使わず、音を立てず、いちおう栄養が摂れるような内容。今日はなにしろ築地市場に行くから、量は少なめ。

やはりcafe bikiniのスコーンは美味しい。このタイプのスコーンのなかでは、いちばん好きだ。少し温めたチョコチップ・スコーンから漂うシナモンの香り。素晴らしい。
しかし酷い写真だ。スマートフォンが勝手に調整してくれたのだが、大昔の暮しの手帖っぽい。皿がそれを際立たせているが、皿は確かに昭和のものだから、仕方がないのかもしれない。

野菜ジュースやビタミン剤、牛乳などを飲んで、準備完了。身支度も終わり、着替えも済ませた。

では、今から出発します。ちょっと眠い。

 

 

早く寝る作戦

明日は予告通り、東京に行く。ただの観光、というか、たぶん適当に歩いて、何かを食べるだけ。
目的地はとりあえず築地市場だけど、時間が遅いから、ぱぱっと歩くだけで済んでしまうかもしれない。どうせなら場内の喧噪を体験したいものだが、なかなかそこまで計画できない。

まだ“寝正月のリズム”が身体に残っていて、今はとても眠い。
明日の準備をしたほうが良いのはわかっているけれど、なんだかだらっと時間だけが過ぎそうな予感がする。

こういう時は、早く寝るのがいちばん。
早起きして、荷造りして、そして出発。完璧な作戦である。寝坊は考えられない。

とはいえ、行き先は東京。
サイレントヒル・静岡とは違って都会だ。ふだん街をぶらぶらするよりも身軽で良いはず。でもせっかくだから、日帰り旅行とはいえ、今回はきちんと用意していく。

カメラ、財布、携帯電話、それからKindle。ハンカチとティッシュ、眼鏡拭き、予備の充電池。フリスクとペットボトルのお茶。なんとなく腕時計。傘は要らないはず。それくらいか。

 

そうだ、Wagashi Asobiには行ってみよう。
ちょうど、茶道の先生に年始の贈り物をする予定がある。茶道は初心者だが、お菓子のセレクトは(少なくとも裏千家茶道よりも)得意。頑張ろう。

わがしごと

 

わがしごと

わがしごと

 

 

猫を喰らう #冬の味覚 #アメリカンショートヘア

先日、Tumblrに少し書いたのだけれど、我が家に変な来訪者があった。知らないおばあさんが「猫を貰ってくれないか」と声をかけてきたのだ。我が家というか、自宅のある私道は他の家

 

の玄関も面していて、ちびっ子の遊び場でもあって、休日はそれなりに人の姿がある。町内会の関係者も出入りするので、声がかけやすいのだと思う。そのおばあさんは、あちこち人のいるところを訪問し、猫の貰い手を探しているわけだ。

 

その猫は、帰省した娘夫婦が置いていった、と説明していた。
「デブになって、可愛くなくなったから、家では飼えない」とのこと。そういう理由で猫(家族)と別れる人は珍しいのではないか。
珍しいというか、かなり問題があると思う。そんな理由で、県外から帰省の折に、実家にケージと餌とトイレ砂と共に老母に押し付けるというのは、なかなかできる事では無い。
異文化、って思う。ちなみに群馬県から来たそうだ。野蛮人め。

もっと言うと、だからといって平気な顔で見知らぬ人に「太っているし、可愛くないかもしれないが、アメショーという良い品種である」と薦めるおばあさんも、何かがぶっ壊れている。

ちなみに猫は、写真で見る限りは、きちんと可愛い。太っているといっても、肥満猫界では中の上クラスだと思う。もっとむっちりして、でも可愛らしい猫だって存在するし、繰り返しになるが「可愛くないから捨てよう」は、とうてい受け入れられない。

 

さて、今日は早く仕事が終わった。
友人も交え、明かりを灯したガレージで自転車整備をしながら雑談などをしていた際に、そのおばあさんがやってきた。
A4サイズに印刷した(こういう人はインクジェットプリンタのインク詰まりを気にしない。理由は不明)猫の画像を掲げ、先日よりも少し丁寧に語る。
「太ってしまったため、飼うことができなくなったハーマイオニーちゃん(雌)。でも、高級な品種である。2年飼ったため、ペットショップでは引き取れないと言われた。あなたたちが飼ってくれると、彼女(猫)も、彼女の元飼い主(娘家族)も、そして私も嬉しい。ケージと餌と猫砂もつけちゃう」
僕は、ちょっと怖くなってしまい、どうやって断ろうかと言葉が出ない。「かわいそうなおばあちゃん」というには元気かつ派手な、そして困っている感じがまるで無い人だが、だからこそ怖い気もする。そうかハーマイオニーちゃんか。

僕が黙っていたら、友人が先に答える。
「なるほど。脂の乗った猫は大好物です。身体も温まります」

なかなか言えることではない。良いアドリブだと思う。
モラルに反する言葉に、さらに反する言葉をかぶせる。喜劇性と理不尽と悪趣味が混ざっている。イギリスっぽさもあるが、それは関係無い。
おばあさんは黙ってしまった。たぶん理解ができなかったのだと思う。
すかさず僕が「この辺りでは、猫はあまり食べない。あれは手間がかかるから」と補足する。

さすがに引き下がるかと思ったのだが(十字を切って、悪態をつかれても仕方がない)、おばあさんも強かである。「でも、飼うこともできるわよ。病気も持ってない」と。

STRIDA(ストライダ) 16インチ折りたたみ自転車 シングルスピード アルミフレーム 前後ディスクブレーキ STRIDA LT BLACK (2015)

そこから、どういうわけか、折り畳み自転車の話になった。
そもそも僕達は自転車の整備をしていたのだ。
価格や重量について説明する。実際に折り畳んで見せたり、旅での活用例も話す。会話の途中で「じゃあ猫を…」とか、脈絡もなく言い出すので、それはきっちり断る。

近所の人かと思ったら、かなり遠くから来ているそうだ。自転車に乗って公園まで行き、そこからウォーキングがてら我が家の近くを“営業”する。
気の毒とは思えないけれど、不毛な話ではある。たぶん飼い主は見つからない。
こういう場合はどうしたら良いか、ということで、捨て猫に関するいくつかの連絡先(保健センターからボランティア団体まで)を教えた。スマートフォンは本当に便利だ。家の外の立ち話で完結できる。

ポメロメコ (WANI MAGAZINE COMICS)

次は別の地区を当たってみる、とのことだが、果たしてどうなるのだろうか。
とりあえず僕は猫を食べる機会を逸した。
食べたいとも思わないが、しかし万が一食べることになったら、おばあさんの娘夫婦を(なんとしても)探し出して、その事実を伝えようと思う。
「太って可愛くなくなってしまったあなた達の家族、アメリカンショートヘアのハーマイオニーは、美味しくいただきました。ごちそうさまでした」って。
写真までは送らないけれど。
つまり僕は、少し怒っているのである。

 

 

ポメロメコ (WANI MAGAZINE COMICS)

ポメロメコ (WANI MAGAZINE COMICS)

 

 

 

1月4日はフランクフルター・クランツを。

おやつの時間に静岡市の中心街へ。
ちょっとした買い物と、それからケーキと紅茶。今日はMARIATHANKに行った。

https://www.instagram.com/p/BO1DJnIhtnP/

 

定番だからこそ普段は注文する機会が少ない(つい新作や季節のケーキを選んでしまう)、フランクフルター・クランツを食べる。
酸っぱいジャムと、つるりとしたバタークリームのお菓子。コーヒーにも合うし、紅茶でももちろん美味しい。きっとフランクフルト市民にとっては日常なのだろうが、静岡では珍しい味だ。他ではなかなか出会えない、という意味でも、この店の代表作だと思っている。

このフランクフルター・クランツは、ショーケースに並ぶ他のケーキとは、少し雰囲気が違う。味わいも見た目も、確かにMARIATHANK的な華やかさがあるけれど、クラシックかつシンプル。幸い、2種類のケーキを半分ずつ注文するセット(名前忘れた)があるので、組み合わせを楽しんでも良いのではないだろうか。僕は専ら、単品で楽しむけれど。

明日から出勤。
もはや落ち着いて休養に努める局面だと考えていたが、今になってやりたい事が増えてきた。それに、工作その他が中途半端に進行している。幸いなことにすぐに連休がある。だからもう焦らず、今夜は読書(森見登美彦氏の『夜行』)を楽しむ。

そういえば、その連休初日、土曜日に東京へ遊びに行くことに決めた。
今のところ目的地としては、築地市場のみを考えている。他は未定。低コストな日帰り旅行を想定していて、だからたぶん、空いた時間がたくさん生じて、ぼんやりあちこちの街を歩いて、疲弊する筈だ。つまり、普段の「静岡の街をぶらぶら歩く」のと、それほど変わらない。人間の数にさえ気をつければ、たぶん大丈夫だろう。
何かお薦めの場所などがありましたら、何でもいいから教えてください。せっかくだから、他人のおすすめを実行してみたい。

とりあえず荷造り、と鞄を引っ張り出したところで、何も用意するものが無くて困った。都会への日帰りだから、まあそんなものか。足りないのは現金のみ、という状況である。

 

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